9月26日 日曜日 天気は晴れ
寝たのか、眠れなかったのかよく判らないうちに朝となってしまった。昨晩チェックインをした際に、宿泊客が40人以上いれば朝食はバイキングになり、それより少なければセットのアメリカンブレクファストだと言っていたが、どうやら宿泊客はまずまずの入りだったようで、朝食はバイキングであった。
バイキングの内容だが、ほぼありきたりのメニューではあるが、ちょっと変わったところではマカロニとサンドウィッチが並んでいたことである。こんなものを朝食のバイキングに並べるとは珍しいが、昨夜はこのホテルで大きな宴会があった様で、それ用に仕入れた残りを朝食に回しているのではないかとの疑いも湧いてくる。
朝食とは別に、このホテルと言うかタイのホテル全体に関する経験として、ホテルから国際色が遠のくにつれて、タオルの内容が変わっていくようである。このホテルではハンドタオルもフェースタオルもない、ただのバスタオルのみであった。さらに、格が下がって、タイ人専門の安ホテルとなるとタオルではなく、腰巻風の布が一枚きりと言うこともある。まぁ、日本の安手の旅館でも、タオル類は手ぬぐいだけなどと言うことがよくあるので、私としてはバスタオルがあれば十分なのである。
なんだカンだと言っても、バイキングだとつい食べ過ぎてしまう。そして、このホテルを出発したのが10時である。やはりこの時刻なら、チェンマイを朝7時に出れば同じになっていたような気もする。国道11号線を南下する。雨季だと言うのに空は青空、日差しも強く暑い熱い。快適な4車線国道も途中ピチット郊外からは片側1車線の対面通行となり、舗装の状態も極端に悪くなった。道路上には沢山の亀裂やクレーターがあり、ビートルは時々バウンドを繰り返した。大きなクレーターを避け切れなかった時には、衝撃でルームミラーが外れてしまったくらいである。
国道225号線との合流地点で昼食とする。このあたりダチョウの飼育が盛んらしく、あちこちにダチョウ農場があった。立ち寄ったレストランでもダチョウがメニューにあったが、ニワトリよりもだいぶ値段が高い。私たちは食べなかったので味のほうは判らないが、日本なら動物園で安楽な暮らしができる鳥が、ここでは食べられてしまうのだから、まったく人間と言うのは恐ろしいものである。
国道225号線を左折し、更にチャイヤプーン街道に入って南下、チャイバダンから田舎道をくねりながらパクチョンの町に向かう。今日は移動ばかりの1日なのだが、できればカオヤイ国立公園の夜の動物見学ツアーに参加したいと考えている。ネットのページで調べたら、このツアーに参加するには夕方5時までに公園管理事務所で登録をする必要があると書かれていた。パクチョンの町に着いたのが4時ちょっと過ぎ。今晩の泊まりはこのパクチョン・ランドマーク・ホテルと言うホテルで、先にチェックインを済ませたいところなのだが、時間もなくそのままカオヤイ国立公園に向かう。国立公園の入り口までは町から約30キロの道のりである。
5時少し前に国立公園の入り口にたどり着いた。ゲートの係員に「夜の動物見学ツアーに参加したい」と訴え出たところ、受付は更に10キロほど先の本部で受けると言う。時間的に間に合いそうもないなぁと思ったが、係員が言うにはツアー出発は7時と8時の2回あり、それぞれ出発時刻までに申し込めばOKとのことであった。これによって我々には時間的な余裕が生じ、一旦パクチョンの町まで引き返し、ホテルのチェックアウトをしてから再度戻ってくることにした。
夜の動物見学ツアーは330バーツであった。これはピックアップトラック1台の値段で、荷台には8人くらい乗れるようになっている。サーチライトを持った少年がガイドとして乗りこみ、更に便乗組のタイ人親子4人も同乗して、トラックは闇の中へ走り出した。
はじめに現れたのは鹿であった、雌と子供たちであろうか、大きな角はなかった。サーチライトに慣れているのだろうか、野原で悠然としている。次にサーチライトは大きな木の梢を照らし出した。そこには原始的なサルの一種スローロリスが枝を渡っているところであった。動きもユーモラスで愛嬌のある動物である。たぶんバンコクのペットショップを探せば売られていそうな気もするが、タイからは連れ出し禁止動物に指定されているはずである。
その後、タヌキであろうか、目を光らせて道路を横断していくやたらと大きな尻尾をもった動物を見かけた後は、ほとんど動物を見かけなくなった。この国立公園内には、象やトラ、ジャガーがいるはずなのだが、これらの動物にはお目にかかれなかった。なお、鹿だけは沢山いるようで、オスは単体で、メスは何頭か連れ立って、道の近くの草原にいるのを見かけた。珍しいところではヤマアラシである。これは道路脇にうずくまっていたものを、近づいてみると身体の針を逆立てて、トラックへ向かってきた。威嚇のつもりらしいが、相手がトラックと巨大なため、すぐに諦めて森の中へもぐっていってしまった。
1時間ほどのツアーの後、ホテルへ戻った。夜9時近くになり、ホテルのレストランは客がいなかったためか、既に消灯していた。ホテルの隣にテキサスと言うカウボーイショップ風のレストランがあった。ほとんど期待もしないで入った店である。お母さんなどはカウボーイショップに並ぶ品物が気持ち悪いと敬遠がちであった。ところが、この店のフィレミニョン・ステーキは逸品であった。200グラムで200バーツと、一般の諸物価から見ると安くはないが、肉は柔らかく自家製のマッシュルームソースも良い味である。他に優泰はスパゲティーを注文し、私はハンバーガーを注文していたのだが、何れもがとても美味しかった。タイ料理のメニューから鶏肉のトムヤムスープを注文したが、これも妥協のない、しっかりした味で、大満足の夕食であった。もっとも、料金はちょっと予算オーバーではあったようだが、、。
朝食
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シハラトホテルの朝食バイキング。 |
昼食
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国道沿いの食堂にてエビ味噌ご飯、空芯菜炒め、豆腐と海苔のスープ。 |
夕食
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パクチョンのホテル隣にあったテキサスと言うレストランにてハンバーガーと鶏のトムヤムスープ。 |
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