5月25日 土曜日
天気は晴れ
ビートルのエアコンラジエーターを抜本的に組み直してもらう事にした。優泰を日本人補習校に送りこんだ後、その足でビートルの修理屋へ立ち寄る。組み直しの方法は、ラジエーターそのものの向きをひっくり返してもらうのと、ラジエーター下に換気用の通風口を開けてもらう作業だ。この反転作業によってラジエーターからの排気は車外へ放出されるはずだし、通風孔によっての流れが良くなるはずであると考えた。
修理工はラジエーターを取り外し、車体の下にいくつもの穴をあけて通風孔をこしらえた。そして大掛かりなラジエーターの反転作業に取り掛かったが、反転させると、エジエーターがフロントフード内に上手い入りきらないようである。修理工は首をひねったり、またあちこちのサイズを測ったり、穴をあけたりしている。隣で見ていても埒があきそうにないので、私は歩いて古材木屋に向かった。
ビートルの後部座席の床にシートと同じ高さの台をこしらえれば、お母さんや優泰が後部座席で横になって寝るときも広々寝れるだろうと考えた。そのでその台を作るために古材木を買いに行ったのである。
タイはもともと森林国と言われ、蒸気機関車だって石炭を燃やすのではなく、薪で走っていたほどの国である。しかし、過度の森林伐採によりタイの国土を覆っていた森林は消滅していき、現在は伐採そのものが禁止されている状態だ。そのため木材の値段が極めて高い。
古材木屋はたぶん解体した住宅からでも出たと思う木材を削り直したりして店先に並べていた。どれも大きさがマチマチで、釘穴が開いていたり、節穴や亀裂が目立つ、薪にしかならないと思われるような木材ばかりであった。それでも値段だけは一丁前の金額がついている。長さが130センチで、幅が15センチほどの古材が50バーツである。角は欠け、ヒビが入ったものだが、取りあえず台を作るのに必要な分だけ買い求めた。
材木を買っても私はノコギリを持っていない。古材屋でノコギリを貸してもらおうとすると、丸太でも切るのか刃渡り70センチほどの大ノコギリを持ってきた。日本のノコギリと違い、押して切るノコギリで文字通り私には歯が立たなかった。古材屋のあんちゃんに切ってもらうことにしたが、彼もあまり上手ではなく、切り口はボロボロになっていた。大きなシェパードがその様子を眺めたり、飛び散ったおが屑の臭いを嗅いだりしていた。
優泰を補習校に迎え、乗合ピックアップトラックに乗ってアパートヘ戻る。優泰とこの手の車に乗るのは久しぶりである。優泰は「この間お母さんと韓国レストランに行く時に60バーツも取られたんだ」などと教えてくれる。今日は2人で20バーツ。他人が運転している車に乗って外を眺めると、実に色々なものが見える。堀の周りの噴水がどのくらい高くまで水を吹き上げているかとか、炎天下に大きなリュックサックを背負って地図を広げながら歩く白人観光客など、20バーツでずいぶんと楽しませてもらった。
昼食後、ビートルを引き取りに行く。一応作業は完了しているようだ。フロントフードを開けて作業結果を見てみる。ムムム、おやおや、苦心惨憺ラジエーターの反転作業をしたようだけど、ラジエーターの約半分が車体に接しているではないか、、。これじゃ冷却効果が半減してしまう、、、。修理工は「マイペンライ(大丈夫)」なんて言っているが、絶対に大丈夫なんかじゃない。タイでこのような作業をする時に「発注者は作業場を離れては行けないと言う鉄則」を忘れていた。組みあがって、修理工が「完了した」と宣言してしまったら、いくら文句をつけても、遅いのである。一番大切な組み上げ時に、現場にいなかった私に落ち度がある。タイの修理工は、理論で組み上げ方を考えていないと思われる。取り外して、また収納が完了した段階で、作業完了なのであり、ラジエーターの性能が向上するかどうかは、彼の関心事ではないのである。
この問題は、再度検討し直すことにして、アパートへ戻って、後部座席床の取りつける台の製作に取りかかる。かなり安手の木材のようで、そのまま釘や木ネジを打つとヒビが入ったり、割れたりする。それを防ぐために水を掛けると見る見る水を吸収していく。そんな素材で果たして役に立つのだろうか、、。蝶番で台の脚をくっ付け、なんとか形だけはできた台に、クッションを張ってもらう。この作業は私にはできないので、イスの張替屋に持ち込む。チェンマイには何故かイスの張替屋が沢山ある。仕上げは雑だが、張替代は極めて安い。できあがりは月曜の夕方だそうだ。
朝食
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昨夜の残りのポテトサラダとパンを食べる。優泰はコーンフレーク。 |
昼食
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優泰とチーズクリームのスパゲティーを食べる。お母さんは茹でたジャガイモとゆで卵。 |
夕食
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アパート前のコカでタイスキを食べる。コカで働くラーさんがマタニティーを着ている。お腹も少し目立つようだ。おめでたかな。 |
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