朝から雨である。実は朝一番にワタノー学校に行くことになっている。私の授業で教えている生徒とは別に、日曜日に日本語の補講をして欲しいと言う依頼があり、それに応じて雨の中学校へ向かう。補講を希望しているのは女生徒3人で、日本語を習うのははじめてらしい。
さて、学校へ到着してみると、正門の前で依頼主の女生徒が傘をさして立っていた。実は私は10分ほど遅刻していたのである。が、待っていた女生徒は一人きりであった。その代わり、この生徒とよく顔の似ている男性もいた。歳は生徒よりも10くらい多いようなので、生徒の兄かと思ったら父だそうだ。とても若く見えるお父さんだ。他の生徒は都合があってこれないのだと言う。そして、大事な娘を心配して父親が付いて来たのだろうと思っていたら、どうやらそうではなく、このお父さん自体も日本語を習いたいのだそうだ。しかも話を聞いてみると実に面白い。
このお父さんはメーサリアンにコンニャク工場を持っている工場で働いているそうだ。タイとコンニャクとは結びつきがよく分からないが、とにかくメーホンソン県の南部メーサリアンではコンニャク芋を栽培していて、それを加工する工場があるらしい。会社は日本にも取引先があるそうで、日本人の名刺の束を見せて説明してくれた。工場へはしばしば日本人がやってくるそうで、そんなこともあって日本語を習いたいのだそうだ。英語もあまり得意ではないらしいのだが、すでにコンニャクの研修で日本へ二度に渡って行ったことがあり、福島県の農家にホームステイをしたこともあるそうだ。コンニャクと言うと私は群馬県の下仁田あたりを想像するが、福島県あたりもコンニャク栽培が盛んなのだろうか、、。
女生徒の方は英語が上手なようだ。毎日AUAに通って英会話の勉強をしているらしい。日本語は特別の目的があるわけではないようだが、御多分にもれず、やはりジャニーズジュニアのファンなのだそうだ。
午後からカドスアンケウ・ショッピングセンターの5階で上演されているミュージカル「ターザン」を優泰と2人で見に行く。このショッピングセンターの上にこれほど大きな劇場があったとは知らなかったが、立派な劇場は巨大で客席は1500席を越えるのではないだろうか、、。それがほぼ満席に近い盛況振りである。チェンマイでミュージカルと言うのもピンと来ないが、ターザンと言う演目からも分かるように、観衆の大半がも子供たちか家族連れである。ミュージカルと言えば華やかだが、実際のところは巡回児童劇団を大掛かりにしたようで、ダンサーたちの動きと、スタイルがバラバラであったのは入場料金150バーツだから仕方がないか、、。しかし、舞台俳優たちの約半分は子供たちである。タイ語のセリフのみなのではっきりしたことは分からないが、この子供たちはなかなか重要な配役があてがわれていて、長丁場のセリフもある。この子供たちの演技にはちょっとした感動を覚えた。約2時間の劇のあとにカーテンコールは起こらず、タイの映画館同様に終わるか終わらないうちに観客たちは席を立ち始め出口へ殺到する。
大阪から約一ヶ月間に渡ってチェンマイに滞在しているOさんも明後日には日本へ戻られるそうだ。それで最後に日本式の居酒屋へ行くことになった。Oさんが「いやぁ、それが旨いんですよ」とご推薦のチェンマイプラザホテルの近くにある旭という居酒屋に入る。しかし、Oさんのご推薦は「カレーうどん」だったらしく、飲む方が目的の我々は結局カレーうどんを注文しないで終わってしまった。で、何を食べたかと言うと刺身の盛り合わせ、焼き鳥、クリームコロッケ、ダシ巻き玉子などである。予想はしていたことだが、一般のタイ料理屋などと比べると値段が破廉恥なほど高い。日本食屋としては妥当なところなのだろうが、ニギリがひとつで100バーツ近い。刺身はそれに比べると良心的かも知れず、盛り合わせは日本の居酒屋チェーン店並であった。盛り合わせの内容はマグロ、イカ、タコ、ハマチ、カニ蒲鉾、シメ鯖と言ったところである。まずくはないが、冷えが足らず刺身としては今ひとつであった。
もともと、私はこの手の日本人相手の居酒屋や定食屋が余り好きではない。料理云々ではなく、擬似的な日本風の雰囲気が好きになれない。タイ人たちの日本趣味的な空間はなんとなくコミカルで微笑ましくて嫌いではないのだが、、。
朝食
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冷やそう麺(韓国製)。 |
昼食
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ご飯と昨夜HOさんのところからいただいた里芋とイカの煮付け。 |
夕食
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Oさんと旭という日本風居酒屋で居酒屋メニュー。 |