旧チェンマイ通信のページへようこそ。 (2001年から2004年まで、3年半の記録)

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9月20日 土曜日    天気は晴れ 

 夜が明けて、部屋の窓から外を見るとメコン川には朝霧が立ち込めていた。対岸に人家が見えないから、きっと対岸はラオスなのであろう。ホテルの朝食はバイキングでなかなか素材の良いものを使っているが、タイ風と中国風のものが中心で、洋風のものはちょっと少ない。宿泊客のほとんどが中国系タイ人がカジノ目当てに来るからこういう事になるのだろうか。が、カジノ客としては、なかなか品の良い人たちが多いようだ。韓国ソウルにあるカジノホテルの朝食風景と比べると、ずっと爽やかである。韓国のカジノホテルの朝食会場は日本人が多いからかもしれない。

 8時半過ぎからゴールデントライアングルの見学。続いてメーサイのビルマ国境を見学する。しかし、どうにも流れが中国人主流のペースになってしまう。日本人対象と中国人対象では、興味の対象が違うのであり、その辺のツボが理解してもらえない。案内役を買って出ている2人は、完全にマイペースである。私からの意見には耳だけ貸しても、行動には移ってもらえない。たとえば、このビルマ国境の観光にしても、中国人の関心はビルマから流入する宝石類を見ることである。日本人の場合は、国境の川にかかるコンクリート橋を歩いて渡り、国境の検問でパスポートに出入国のスタンプを押してもらうことが大きい。そのため、私はビルマ側に入るべきだと主張したのだが、タイ側の方が「良い宝石がある」とチグハグになってしまう。そこを粘って、ビルマ側に入ることを了解させたのだが、まだ問題が残っていた。ビルマ側に入ったら、国境市場、丘の上の黄金パゴダ、カジノのあるホテル、ゴルフ場、免税店などを見学させるようにと伝えておいたのだが、結局ビルマ側ではそれらのうちのひとつにも行かなかった。ビルマ側の案内役はこの周辺でとても有名だと言うコバと言う名の高僧が付き合ってくれたのだが、そのために案内された場所は、高僧の元に集まった寄付金で建築中の病院とか学校であった。確かにとても偉いお坊様らしく、我々一行はビルマ国境でのパスポートチェックもなく、入国料を払うことなく、車に乗ったままノンストップで橋を渡ることができてしまった。その間、高僧は助手席から軽く手を上げるだけで、国境の係官たちは合掌して、頭を下げて車の通過を見守る。

 案内役の中国人2人が特に見てもらいたがっているのはメーサロンと言う山間部の集落である。もともとが中国国民党軍の解放村でケシの栽培でも知られていた。現在はお茶の栽培が盛んで、観光開発もされている。まずは元の軍事教練施設を改装したメーサロンリゾートでの昼食。雲南料理を食べさせてもらう。ご馳走なのだろうが、一般に日本人のイメージする中国料理の範疇から考えると、彩りに欠けて華やかさがない。見た目を重視する日本人には喜ばれる料理ではなかった。一方、我々一行の大半が中国の血が流れており、この手の料理は魅力的なようだ。昼食の際には元国民党雲南軍将軍の雷さんが同席して、国共内戦から現在にいたるまでのことを熱心に話して聞かせてくれる。しかし、申し訳ないが、話が長すぎる。それに雲南訛りの中国語のため私にはほとんど聞き取れない。そして、ここでも昼食後の見学先は山頂の寺院ではなく、雷元将軍の監督下で進められている軍の記念館の建設現場へ案内された。

 その後も、見学のペースは中国主導で、まともに観光施設と呼べるのはメーファールアンだけであった。私が希望していた温泉地、タイでのベスト10に入るゴルフ場は割愛されてしまった。この中国人の2人は熱心に案内してくれたのだが、日本の旅行業界の人間を案内するには、相当に無理があったようだ。たぶん、チェンライを組み入れた企画に対する参考にはあまりならなかったのではないかと危惧される。8時過ぎの飛行機でバンコクへ向かう一行を空港に見送り、私はひとりチェンライ市内へ入る。こちらでも、地元の旅行会社とチェンライから国境地域へのツアー企画についての情報交換をする。

 夜10時近くに夜道をビートルに鞭打ってチェンマイへ向かう。夜の山道はほとんど車の行き来が無い。それでも、途中いくつかある集落には小屋がけ風カラオケがあって、遊び人たちが集まっているのが見えた。ほとんど寝静まったような集落で、なんだかとても違和感を感じる光景である。
 チェンマイ県との県境にある峠の頂上でビートルを止めて夜空を眺める。まさに満天の星である。実に久しぶりに天の川まで見えた。あまりの星空の見事さに15分くらい空を見上げてしまった。チェンマイに到着したのは午前1時半となった。

朝食
ホテルのバイキング式朝食。
昼食
メーサロンリゾートにて雲南料理。
夕食
チェンライにてクオッティオうどん。

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(2015年5月からのブログ)

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