6月19日 水曜日 天気は晴れ ときどきにわか雨
サイアムパークも閑散としていた。開門前にチケット売場に到着。門の前には在住西洋人親子が何組かいるくらいだ。西洋人たちもタイ語を話して切符を買っている。ここもタイ人と外国人で値段が違う。タイ人は大人200バーツ、子供100バーツ。これに対して外国人は300バーツ以上だ。
サイアムパークは巨大であった。遊園地の部とプールの部がある。真っ直ぐプールの部へ行く。プールは全てが巨大である。流れるプール、波のプール、直滑降の滑り台、スピンの滑り台、滝のプール、子供プール。規模から言うとやはり豊島園と西武園のプールを合わせたくらいの規模がある。しかし、まるで人がいない。10人程度だろうか、、。売店なども営業していない。人影はプールサイドを清掃する人たちばかりだ。昼近くなってようやく、バンコクのインターナショナルスクールの遠足とかち合った。その数30人ほど。引率の西洋人の先生以外、生徒たちに西洋人風の顔立ちを見かけない。滑り台でその中の一人に話しかけたら、日本人のお父さんとタイ人のお母さんのハーフだそうだ。子供たち同士はタイ語で話していた。バンコクにはこのようなインターナショナルスクールもあるらしい。
午前中いっぱい、優泰とプールで遊んで、午後からは私はプールサイドのデッキチェアで昼寝でもして今晩のチェンマイまでのドライブに備えようと考えていた。しかし、昼食を食べ終えた優泰は、午後は遊園地で遊ぶと主張し始めた。昨日さんざん遊んだはずなのだが、ここでも沢山の遊具があるのを見て遊びたくなったらしい。乗り物は2つまでと約束させたが、都合6個も乗って、やはり閉園ギリギリまで遊ぶ事になった。もっとも遊具の多くが客がいないため、係員もおらず動かないままになっていた。スクリューコースターなら乗っても良いなぁと思っていたが、これも運転しておらず、バイキングやオクトパス、電気豆自動車、飛行機などに乗せてやった。係員も暇なものだから、普段の3倍くらい長い時間遊具を動かしっぱなしにしてくれた。私の昼寝の夢は実現できなかった。なお、ほとんどの遊具には無料で乗せてくれた。
他に恐竜博物館も無料で見学できたが、ここの博物館は凄かった。骨格標本もあるのだが、機械仕掛けの展示室は、薄暗い館内に恐竜の声が響き、巨大な恐竜が首をヌーッと突き出し、今にも我々に食いつこうとするのである。そして何体もの等身大の恐竜や原始人、マンモスがさまざまに動き、迫力満点である。普段恐竜だの怪獣が好きな優泰ですら、怖がって私の腕にしがみつき離れようとしない。まったく、必見のアトラクションであった。これも見学者がいないから余計に迫力が増すのだろう。
全体として、私はこのサイアムパークには好感が持てた。二人で300バーツの入場料で、たっぷり遊ばさせてくれる。食べ物も庶民的なものが庶民的な金額で売っている。ラーメンは20バーツ。電動遊具も10バーツ。デッキチェアなど10バーツと書かれていたが、誰も回収に来なかった。もっとも座る事もなく、ただの荷物置き場にしただけだったが、、。優泰の同級生のお母さんたちにも紹介してあげようと思った。チェンマイの子供たちはみなこうした施設に餓えているのである。
午後4時過ぎにサイアムパーク前を出発。雑貨屋で水や氷、スナック菓子に清涼飲料などを買い込み、外環高速道路に乗る。高速に乗る前に給油をしたかったが、インターまでにスタンドがなかった。高速代は30バーツ。40キロほどでバンパインの終点に辿り着く。複雑な立体交差をぐるぐる回らされ、スーパーハイウェイに出る。そして、ようやくスタンドに入って給油。バンコクはチェンマイよりもリッターあたり0.5バーツほどガソリンが安い。動きの悪いスタンドマンに満タンにするよう注文。タイでは一般的に○×バーツ分入れろと指示するのだが、今回私は満タンと指示した。これが失敗。スタンドマンは給油口を見ずに、給油のメーターばかりを見ている。私がトイレから戻ってもまだ給油しているので変だなと思ったら、給油口からガソリンが溢れているのに、まるで気が付いていない。教訓としてタイでのスタンドでは給油中には席を離れるべきではない事を忘れていた。もちろん溢れた分のガソリン代を含めて、ガソリン代はガソリン代として全額私に請求が来るのである。
優泰は走り始めてすぐに後部座席で寝てしまった。私は交通量多いハイウェイをなるべく追い越し車線にしがみつくように時速100キロほどで走る。バスやトラックなどの大型車が多いので前方の視界が悪い。車間距離を取ると言った習慣がないので、少しでも車間をとれば、左側から追いぬきを受けて割り込まれる。たまに信号もあるし、バス停もある。立体交差はなくて、車もバイクも荷車も、水牛も通るのだ。常に右足はアクセルとブレーキを交互に踏みつづける。ナコンサワンまでの200キロほどの区間は運転していて本当に神経を使う。
ナコンサワンで日没を迎えた。ここからは交通量もぐっと減り、走りやすいが、田んぼの中のハイウェイなので日没後は虫が凄い。たちまちフロントガラスは虫の激突死骸で見通しが利かなくなる。しばらく走ってはフロントガラスを雑巾で拭き、また走ると言う事を繰り返したが、ゆっくり走れば虫たちも衝突を回避できるのではないかと考え、時速60キロほどでゆっくり走る。走り始めて3時間。優泰のオネショが気になったので、道端に車を止めてオシッコをさせる。目を覚ました優泰は、車内が暗いのが面白くないらしく、車内灯を点けた。車内が明るくなり、フロントガラスが鏡のようになり、ますます前が見にくくなった。
カンペンペットを過ぎて、簡単な夕食を済ませてからは、車内を暗くし、虫の事など気にせず、再び時速100キロほどで突っ走った。夜10時、タークの町で最後の給油をして緩やかな勾配の道をチェンマイを目指す。もうほとんど車は走っていない。たまに長距離トラックを追い抜く程度だ。エンジンは快調。スピードメーターも時速90キロ前後で固定したままだ。優泰はまた眠っており、スピードを落とすのは時々警察の検問で停車を求められるくらいだ。ランパーンの交差点を正午に通過、勾配のきついクンタン峠もトップギヤのままで登ってくれる。ビートルのエンジンが若返ったようである。午前1時にチェンマイ外周道路に入り、1時10分にアパート駐車場でエンジンを止める。バンコクから約700キロ、9時間の走行であったが、オーバーヒートする事もなく無事に到着できた。眠っている優泰を抱きかかえて部屋まで連れて行く。
朝食
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バラック風の食堂で私はパートンコーとタイ式コーヒー。優泰は砂糖とマーガリンのトースト、目玉焼きにアイスオヴァルチン。
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昼食
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波のプールサイドでラーメンをすする。 |
夕食
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カンペンペットを過ぎたあたりのガソリンスタンドの食堂で買ったカレーパフ。 |
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