6月12日 水曜日    天気は曇り

 午前中、優泰に算数の足し算と引き算を20問だしてやらせる。時間はだいぶかかったが19問正解だったので良しとして、外へ連れ出す。どこへ行くか考えたが、たまにはバスに乗ってみるのも良いかと考えて、チャーンプアク・バスターミナルへ行く。どこへ行くのが手ごろかなぁと路線図を眺めてみて、以前にも行ってみようと考えながら行けずにいたプラウへ行ってみようと思った。プラウはチェンマイの北北東約100キロにある町である。この町へ行くバスは2系統あり、北回りルートはファーン街道を北上し、チェンダウからプラウへ入る。南回りルートはサンサイを経由して真っ直ぐプラウへ向かうルートである。ターミナルでプラウ行きのバスの時間を聞くと、次ぎは11:20発の北回りだそうだ。今はまだ時刻は10:45で、時間がありすぎる。プラウ行きのバスはここチャーンプアクが始発となっているが、ワロロット市場脇からもバスが出ているのを見た事があったので、試しにワロロット市場脇に行って見る事にした。ワロロットまではランプーン行きの路線バスに乗っていく。チェンマイ市内の移動には赤い乗合ピックアップトラックを利用するのが一般的だが、ここチャーンプアクからなら、ワロロット市場やチェンマイ門市場方面へは地方行きの路線バスも利用できる。しかも、安い。チャーンプアクからワロロットまで6バーツであった。

 ワロロット市場からのプラウ行きは全て南回りルートを取るようだ。しかし、ここでも次の便は11:20ということであった。バス停前のキオスクでスナック菓子などを何種類か買いこむ。水も1リットル買って乗り込んで出発を待つ。乗客はごく普通のタイ人たちである。僧侶もいれば買出しの女性も、松葉杖の人もいる。30人乗りくらいのバスで半分くらいの席が埋まっていた。以前から気になっていたのは、この路線だけはエアコンバスが走っていることであった。チェンマイ県内を走るバスはどれもエアコンの付いていないボロバスだらけなのに、なぜこの路線だけがエアコン付きなのか疑問だった。「沿線にお金持ちが多いのかなぁ」と想像していたが、乗客の服装を見るとどうもそうでもなさそうである。

 バスはサンサイ、メージョーを過ぎると緑の山の中へ入っていった。雨の季節になったからだろうか、緑が鮮やかである。日本の新緑を見るようである。道路の路面状況はとても良い。整然と大木の並木が残っている区間もある。沿道にはそれほど集落が多いようでもなく、乗客の乗り降りもほとんどない。メーパンと言うところでは、凱旋門のようなゲートがあった。よく見ると「ワット・ドーイ・メーパン」とあった。山寺でも奥にあるのだろう。

 プラウには1時過ぎに到着。小さな町を優泰と二人で歩く。北タイの町はどこへ行っても西洋人旅行者を見かけるものなのだが、ここの町では西洋人を見かけない。小さな市場をのぞき、食堂へ入る。比較手は繁盛している食堂のようで、ほとんどのテーブルが埋まっていた。公務員のカーキ色した制服を着ている一団がビールを飲みながら昼食会をしていた。私は青唐辛子炒めを注文し、優泰には玉子炒飯を注文する。「子供には野菜を入れるのか?」と店の人が聞いてくる。日本の子供でも野菜嫌いの子供は多いが、タイはそれ以上だと思う。それと子供の好き嫌いに関して親も寛大なので、店も気を使って子供用に野菜を入れるかどうかまで聞いてくる。優泰もタイに来て肉好きの野菜嫌いになってしまった。そして、お菓子大好きなタイ人と同じになってしまったためか、バスの中でスナック菓子を6袋も食べてしまい、昼食をほとんど食べられなくなっていた。

 昼食をグズグズと食べ、2時のバスに間に合いそうになくなったので、仕方なく食べ残させてバス停へ向かうことにした。少し歩いたところでアイスクリームを売っており、それを買うのだという。時間がないからダメだと説得して、直ぐ納得する相手ではない。説得するほうが時間がかかってしまう。「エイ、面倒だ。好きなの選べ」と言ったのが運の尽き、優泰は慎重にアイスクリームを選び出し、選ぶことで時間がかかってしまった。コーンに盛りつけられたアイスクリームを舐めながら歩き出したところ、はるか前方をバスが右折して走り去っていくのが見えた。

 バスに乗り遅れてしまった。次のバスは1時間後の北回りルート。バス停前の寺院を見学したり、犬をからかったりして時間を潰す。プラウの町からは、チェンライ県のウィアンパパオ行きの定期路線バスがあることを確認した。1日3便、08:30/11:00/14:00だけで、バスと言ってもピックアップトラックである。こう言うルートを見つけると乗ってみたくなる性分だが、すでに今日の最終便は出ている。ウィアンパパオは、チェンライとチェンマイを結ぶ国道上にある集落なので、チェンマイへのバスはいくらでもある。

 北回りのバスはエアコンが付いていなかった。運賃は44バーツ。大人だけの運賃で、同伴の子供は無料のようだ。南回りのエアコンは大人が56バーツこどもが36バーツであった。エアコン車は親子で乗ると割高になるようだ。チェンダウまでの道は山道であった。山肌は石灰質のようで、白い急斜面を樹間から覗かせている。温泉も沿道に涌いているようだ。こちらも新緑が美しい。

 チェンダウからはバスも満席となり、チェンマイへは5時過ぎに到着した。

 夕食後、優泰を堀の南側にある移動遊園地へ連れて行く。観覧車やゴーカート、汽車などの遊具に載せてやる。ほとんどの乗り物が一回10バーツ。夕食後にちょっと遊ばせるには50バーツほどの事だから適当だ。タイにはこの手の移動遊園地があちこちに出没する。こども騙しの遊具ばかりだが、騙される子供は幸せになれるのだから、タイの子供たちはそれなりに幸せなのだろう。

 

朝食

ご飯と味付け海苔、アサリとハマグリの佃煮、味噌汁。

昼食
プラウの町の食堂で青唐辛子炒め載せライスを食べる。優泰には玉子チャーハンを食べさせる。
夕食

ピザハットのベジタリアンラバーと言うビザ。

 

前日へ  翌日へ