10月11日 土曜日    天気は晴れ

 優泰をミニバイクで補習校へ送って行こうとしたらば、ミニバイクの様子がおかしい。エンジンが回りだしてほんの数秒でエンジンが停止し、以後再始動しなくなった。あきらめてビートルで補習校へ送っていくことにした。たぶんキャブレター関係のトラブルだろうと簡単に考え、午後にでもバイク屋に持ち込み、キャブレターの分解清掃でもしてもらおうと思っていた。

 補習構内での雑事を済ませ、帰宅する前に、先日教えてもらったチェンマイの魚屋に立ち寄ってみる。期待したサンマとアジの干物は本日も見られなかった。その代わり、脂の乗った青魚を一匹仕入れる。魚に疎い私は、実はカツオだと思って買ったものである。しかし、三枚におろしてもらうと、肉の色がカツオと違って、全体に白っぽい。そのチアイはやたら赤く見える。どうやら、これはハマチだったらしい。大きな魚も三枚におろされて、切り身だけになると大した分量ではない。キロ120バーツで買ったが、実質の身の部分はキロ300バーツ位につくのではないだろうか、、。
 本当はカツオを軽く炭火であぶって食べたかったのだが、ハマチでは仕方が無い。ハマチなど料理したことはもとより、食べ方だってサシミ以外知らないのである。買ってしまったもののどう処理してよいやら、、。ちょっと悩んで、ハマチもブリも同じ魚だろうと、大根と煮込んでしまうことにする。三枚におろした切り身にはチアイ周辺にまだ骨がついているので、このチアイを惜しみなく切り取ってしまう。すると、魚がますます小さくなってしまった。ここまでの処理をして、切り身を冷蔵に入れる。

 ミニバイクの修理のためにバイクの修理屋へ持ち込む。「エンジンがかかんなくなっちゃったから、キャブレターを分解清掃してよ」と工員に依頼する。なんだか知らないが、今日はやたらと日差しが強い。とても暑いのである。日陰に入って工員がキャブレターを分解している作業を見学していると、工員が「チョークのシリンダーが無い」と言う。お粗末な話だが、どうもこのネニバイクあちこちに欠品が目立つ。しかも、キャブレターの中に格納されているチョークのシリンダーなど、走行中にネジが緩んで脱落してしまうような部品ではない。これは間違いなくどこかの修理屋が分解組み立て時に、組み忘れをしていたに違いない。が、そうだとしても、それを探し出すのは不可能だ。工員に「まぁなんとかしておいてよ」と声をかけて修理屋にミニバイクを預ける。

 ハマチと大根の煮込みだが、私としてはまずまずの成功だったと思う。味付けは醤油と生姜、砂糖と酒だけで、シンプルである。大根とハマチが良く煮込めて、まぁハマチの切り身の形が崩れたのは愛嬌としても、それなりのできだったと思ったのだが、お母さんには不評であった。まず、不評なのは味がどうこうと言うものではない。もともと一口も味見をしてくれないのだから、問題は私が調理した魚など、信用できないと言うことと、魚を醤油と酒で煮込んだときに発生する臭いが気になって、ムカつくのだそうだ。夕食の食卓に上げたのだが、始めはハマチに手を伸ばしていた優泰もお母さんの表情を見て、食べるのをやめてしまった。「あなたが、いつも煮魚が食べたいと言っているから、せっかく作ったのに、残念だなぁ」と言うと、「滝山のお母さんが作ったのだけが食べたいんで、他のは食べたくないんだから」と、私のオフクロさんの作ったものは好きだが、その息子の作ったものは食べたくないと、きっぱり宣言をされ、しかも「今後はもう二度と魚を買って来ないでね」とまで釘を刺されてしまった。これで一週間に及ぶサンマとアジノ干物をめぐる珍道中にピリオドが打たれることになった。だいぶ小さくなったと感じたハマチの身だが、ひとりで食べ始めると、やたらと量が多い。

朝食
納豆ご飯。
昼食
優泰用に作ってあまったツナマヨネーズのおにぎり。
夕食
ハマチと大根の煮込み。

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