11月10日 日曜日    天気は快晴れ(久しぶりに真夏並) 

 日本人補習校恒例の大運動会がランプーンの工業団地にあるグランドで開催される。昨年に続いて2度目の参加だが、実にすばらしい運動会であった。山の分校並の小さな学校で、満足に練習する時間もないにもかかわらず、これだけの運動会を開催してしまうのだから、まさに感動ものである。そこで今年は競技のスタート係をさせてもらうことにした。担当は前半戦の競技で、スタートの笛を吹くといった簡単な役である。生徒数が少ないので、ほとんどの競技が一年生から中学生までの全員が参加する。スタート係なのだが、優泰の活躍が気になるので、笛を吹く前に何度も優泰の姿を探したが見つからない。どうしたのだろうか、、?そう言えば、運動会の会場に到着する直前に腹痛を訴え出していたのだが、、。
 競技前半戦を終えて、私もしばらくお役御免となったので父兄席にもどっみると、優泰はお母さんの膝枕でゴロ寝をしていた。「どうして競技に出ないんだ?」と聞くと、優泰ではなくお母さんが、「お腹がとても痛がっているから休ませている」と答えた。どこら辺が痛いのか示させたら下腹部らしい。しかし、盲腸などとは場所が違うし、熱もないし、眼球下や口内を覗き込んだが異常はない。下腹部の特定の場所が痛いらしく、そこを押すと痛いという。が、顔色にも変化がない。痛いと初めに訴えたのが、運動会の開会前で、もう時間がだいぶたっている。もし悪いことになっていれば、顔色や眼底などに変化が出るはず、、。たぶんガスだろうと考えた。腸にガスがたまって痛いのだろう。きっとそうだ。もしそうなら、体を動かして、ガスを通してやるに限る。寝転んでいる優泰を立たせて、グランド脇へ連れて行き、軽く散歩から始め、少し走らせたり、シャンプさせたりした。効果はてき面であった。体を動かし始めて3分もしないうちに腹痛は治ってしまった。優泰を後半戦の競技から参加させた。もっとも、運動会で優泰が赤組チーム優勝に貢献したかどうかは、本人の名誉のために公開は差し控えておく。私は父兄参加のパン食い競争に出て、居並ぶお父さんたちを押さえて、見事1等になって、戦利品のアンパンをお母さんに進呈した。

 運動会終了後、お母さんはクタクタに疲れたと言う。お母さんは何の競技にも参加せず、手伝いもしなくてテントの下でお茶を飲みながら見学していただけなのに、疲れて不機嫌になっている。そんなお母さんと、優泰を連れて、午後からサンカンペンの温泉へ行く。温泉へ行きたいと言うのは、先週からのお母さんの希望であった。温泉には3時に到着したのだが、浴場がふさがっていて、入浴できるのが4時からと言うことになった。そこで、温泉公園内を見渡せる食堂に入って、冷たい飲み物などを飲みながら時間を過ごす。
 隣のテーブルについた親子連れのお父さんが声をかけてきた。「遊びで来てんの?」日本語である。奥さんと思しき女性はタイ人で、小学生くらいの女の子がいて、ソムタム(辛くすっぱい青パパイヤの和え物)などをつまんでいる。「ええ、午前中に運動会があったんで、汗を流しに来ました。しかし、入浴の順番を一時間も待つことになりました」と答えた。「こっちに来てどのくらいになるの?」とまた聞かれ「ええ、一年半です」と答える。他にもいくつか質問風に話し掛けられたが、途中で私は目をそらして、会話を中断した。別に聞かれる内容に不愉快なことが合ったわけではないが、終始「何々なの?」と言った友達言葉で言われることが気になりだしたのである。たとえば、お互い名乗り合うとかしてからならば、友達言葉も楽しいが、初対面であり、相手の人は自分が何物であるかも言わずに質問してくるのは、愉快ではない。悪意はないのだろうし、私の思い過ごしによることなので、却ってその人の気分を害してしまったかもしれないが、まぁ仕方ないだろう。

 入浴を終えて、夕焼けを追いかけるようにしながらチェンマイ市内に戻る。お母さんが毎週楽しみにしている大河ドラマが始まるまでに帰り着こうと努力したのだが、アパートのすぐ近くまで行ったところで、渋滞に巻き込まれてしまい、結局アパートにたどり着いたのは6時(日本時間は夜8時)を5分回っていた。

 

朝食
ご飯と豆もやしの和え物など。
昼食

巨大スーパー、ビックCにてチャシューワンタン麺。

夕食

小屋がけ食堂にて豚肉団子、白菜の炒め煮、鶏肉の煮込み。

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