4月8日 火曜日    天気は晴れ   

 昨夜、チェンライのソムさんからFaxが入っており、一昨日OSの再インストールしたパソコンがまたもや調子が悪いと言う。これはどうやらハードに問題があるのかもしれない。そのSomさんは、これじゃたまらないと新しくデスクトップのパソコンを買うつもりだと言う。それでどれを買ったらいいかと、カタログをFaxで送ってきた。正直言って、カタログのコピーではさっぱりわからないのである。第一、タイで販売されているデスクトップパソコンなどほとんどパソコンショップのオリジナル作品みたいなもので、マザーボードに箱を被せたようなもので、どれほどの性能があるかなんて判らない。とりあえず、付属で何がついている必要があって、何が要らないかを考えてみる。

 パソコンのことを考えていたら、寝付けない。寝る前にあれこれ考えると眠れなくなってしまう性質なのである。ビーチに行くとしたら、いずれにしてもバンコクの先まで行かなくてはならないし、朝4時には出発したかった。でも、もう午前2時である。このまま眠れそうにないのでそのままビーチへ向けて出発してしまうことにする。優泰をビートルの後部座席に寝かせ、深夜のスーパーハイウェイを南に下る。さっきまであれほど寝付けなかったのに、ハンドルを握ったらなんだか眠くなってきた。特に身体が寝ぼけているようで、思うように動かないし、注意力も散漫である。これじゃ危ないなぁと思い、運転をはじめて二時間ほどして、ランパーンからトゥーンへ抜ける峠道にビートルを止めて少し仮眠をすることにした。後部座席は優泰が占有しているので、運転席で寝ようとしたが、ハンドルが邪魔で寝るに眠れない。30分ほどうとうとして、再度出発する。20分ほど走ったところで、大型トレーラーが道端に止まっていた、私はそのトレーラーの右側の追い越し車線をすり抜けようとしたところ、いきなり懐中電灯をかざした警察官が飛び出してきて、私に「止まれ」と合図する。スピードを出していたこともあり、私は20メートルほど行き過ぎて停車し、バックで戻る。警察官は「なぜちゃんと止まらなかった」とか「追い越し車線を連続走行していただろう」とか色々と早口で文句をつけてくる。止まらなかったのは、突然トレーラーの陰から飛び出してきて止まれと言われても間に合わないからだと反論したらば、警察官の肝に触ったらしく、あれこれ調べられ始めた。それに、本当は走行車線は舗装がボロボロで、ほとんど追い越し車線を連続走行していたのも事実である。まぁその辺で罰金かなぁと思っているところで、免許を提出し、住所とパスポートの確認をされ、仕事は何をしていると聞かれたので、ボランティアだと答えた。「どんなボランティアなんだ」と言うので、ラジオ局の身分証を見せた。一応政府広報局発行であり、それなりのものではあるが、残念なことに英語で書かれているので今ひとつ威厳にかける。「これは何の身分証だ」と聞くので、「政府広報局発行のラジオ・番組アナウンス担当の証明ですよ」と答えたら、急に態度が穏和になり「日本とは交通ルールが違うのだから、注意して走行するように」と言われて開放された。

 この一件のおかげで、眠気のほうはなくなって、すっきりした。タークの町外れで夜が明けて、カンペンペットとナコンサワンの中間点で朝食にする。実のところ、目的地はまだ決めていない。海の綺麗なところへ行こうと思っているのでパタヤではなく、シャム湾の西海岸側に行きたいとだけ漠然と考えている。ホアヒン、チャームと言った有名なビーチもあるが、実のところ私はまだ一度も行ったことはない。さらに南にはサムイ島もある。ドライブ中に優泰に掛け算の九九を覚えさせる。今日は6の段を覚えさせることを目標としよう。
 アユタヤで昼食休憩をとる。昼食がてら立ち寄った巨大スーパー・ロータスの衣料品売り場を見ていたら、海水パンツが200バーツほどで売られていたので、喜んで購入する。柄やデザインなどは二の次である。

 バンコク市内には入らず、西側のバイパスを抜ける。地図を見るとウエスト・アウターリングとあり、有料道路と表示されている。東側のバイパスはパタヤへの行き来で何度か利用したが、有料で結構な金額がかかった記憶がある。普段なら、労力より支出を気にする私なので、急ぎ旅でもない今回は、バンコクの渋滞に巻き込まれようと、有料道路を避けたいところなのだが、徹夜で走行してきて、しかも盛夏の猛烈な日差しに焼かれて、さすがの私も、労力を惜しんでしまい、アウターリングのハンドルをきった。このバイパス、路面の荒れが酷い。凸凹のつぎはぎだらけである。大型トラックも多い。嫌な道だなぁと思いながら走っていたが、一時間ほど走っても料金所は現れず、そのままバンコクから南西に伸びる国道35号線に合流した。

 国道35号線ねサムットソンクランに近づくと塩田が多く見かけるようになったので、丁度良い機会だから、社会科見学として優泰に塩の作り方をレクチャーする。塩田では海水を汲み上げる風車が回り、集められた塩が大きな台形の山になって積み上げられている。優泰は「砂糖も海の水から作るのか」と聞いてくるので、砂糖はサトウキビを絞るのだ。去年カブトムシを飼っていたときにカブトムシに食べさせていたのがサトウキビだと説明する。なんだか、社会科見学から理科の実験になってきたようだ。

 ペッチャブリーを過ぎて、ホアヒン、チャームが近づいたとき、かなたに白い大きな建物群が見えてきた。大型のホテルらしい。うーん、海は多少は綺麗かもしれないが、なんとなくパタヤ並みの気もしてきて、ホアヒン、チャームは敬遠することにした。すると残るはサムイ島かぁ、、。いい島だけど遠いなぁ。船着場までまだ500キロはある。現在4時半だから、到着は深夜だろう。それでも、国道を南に下っていると、チュンポンまで300キロとある。これなら夜8時頃には到着できそうだ。今晩はチュンポンに泊まって、明日の朝にでもサムイに向かおうかと考えた。

 チュンポンの町には夜8時に入城。町の入り口に「タオ島行きの船乗り場は左折」と看板が出ていた。そう言えば、最近タオ島の海が綺麗なので外国人観光客が増えていると聞いたことがある。そうだ、明日は船に乗ってタオ島に渡ることにしよう。船着場は町からかなり外れたところにあったが、運良く船着場前に手ごろな旅館があった。船は明日7時の出港だそうだ。ここまでチェンマイを出てから18時間。距離は1200キロいやはや疲れた。

 

朝食
国道沿いのガソリンスタンドに付属したドライブインで朝食。私はクオッティオうどん。優泰はセブンイレブンで買ったホットドック
昼食

アユタヤのロータスに入っているスカイラークにてカツどん。優泰は焼きそば。

夕食
チュンポンの船着場脇の簡易食堂でシンハビールを飲みながら、タイ式卵焼き(カイチアウ)、五目野菜炒め、海老のカキアゲ、豚肉のフライ。

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