9月5日 金曜日 天気はくもり 夕方に土砂降り
ある旅行会社の日本人経営者から、日本人客から発生したクレームの処理について相談メールを受ける。クレームと言っても、状況から判断して、その旅行会社は取次ぎをおこなっただけで、直接責任はそれほど無いように思われるし、しかも、事後処理については、通常の旅行会社が取るべき対応の範囲を大幅に逸脱するくらい誠意を持った対応をしていたのだが、それでもクレームは完全に解決されず、後を引いているようで、相談を受けることになった。なお、誠意は充分すぎるくらいにしているのだが、私が見たところ、それが却ってアダになっている雰囲気である。クレーム処理と言うのは、営業や企画などよりも数倍神経を使う仕事だし、私なりに、私だったらこのように対処しますと言ったメールを長々と書き送った。最近は忙しさにかまけて、メールの返事もなかなか書かないし、ホームページの公開日記もアップしていないのだが、クレーム処理に関しては迅速が第一なので、最優先でメールをしたためた。考えを整理しながら書いたので、一通なのに2時間もかかってしまった。
小屋がけ食堂のおばさんから融資を依頼された。やはり、どうにも経営が苦しいらしい。しかも、雨季本番を迎えて、文字通り小屋がけ同然のこの食堂は、水浸しになって営業ができない日も多くなってきている。融資する金額は、タイの貨幣価値からしたら大きな金額だが、半分は償還されないことを覚悟の上での融資である。現状の「学生さんがお腹空いたら可哀想だから」と安い金額で、ボリュームのありすぎるものを提供していれば、当然赤字になるし、今後も抜本的な手を打たない限り、経営状況の改善は見られないであろう。そして、融資金額の回収も難しいはずだ。しかし、ここのおばさんは、私がチェンマイで知り合ったタイ人の中で、もっともイイ人だと思っている。私たちが日本に帰ることになっても、きっとこの小屋がけ食堂のことは一生思い出として残るであろうから、今ここでバンザイしてもらうわけには行かない。
昼前に弁護士さんと落ち合い、詐欺事件のことで警察署へ向かう。この事件で、最終的には先日、詐欺側が全面的に悪行を認め、白状し、しかしお金を下さいと言ったとんでもない事で、決着させることとなったのであるが、騙し取られた車についても、日本人側は今さら車を返されて、お金を詐欺師側に与えるなど理不尽だし、納得が行かないという事で、すったもんだがあり、最終的に、車は返さずに、お金を返済すると言うことになった。返すと言うお金も車の価格からすれば半額だし、本来ならば納得できないところなのだが、しかし、やはり車を返されたところで、日本人側で売却しようにも、業者に買い叩かれるのが落ちだし、いつ現金化できるかも分からない。それならばと言うことで、半額程度の返済で手を打つことにした。それにもかかわらず、詐欺師側は昨日電話をかけてきて、10万バーツほど負けてくれと泣きを入れてきた。もちろん、そんなことは了解できず、支払期日の本日中に取り決めた金額を用意できなければ、その場で収監させると言う態度で臨むことにした。
12時に警察署で警察官立会いの下、相手側とあったのだが、やはり金は用意できていなかった。ならばと警察官が「知り合いの中古車屋があるから、そいつを今すぐ呼び出して買い取らせる」と言い出し、中古車屋がやって来た。提示価格は33万バーツ、こちらとしてはいくらの金額になろうが結構だと思っているが、「これじゃ大損する」と詐欺師側、、。いったい何が大損なのかとムカつくが、詐欺を生業にしている人間は事態がここに至ってもまだそんなことを感じるものなのだなぁと感心もする。最終的に、今日中に必ず約束した金額は用意するとの約束で、できた金は警察署に今日中に預けるとの確約を取って解散となる。しかし、先日相手側が白状した中には、黒幕とも思える日本人のK氏やS氏の名前が登場していたが、とうとう最後にはトカゲの尻尾切に出たのであろうか、警察署への立会いには一切顔を出さなかった。
午後の時間で旅行会社のホームページ作成をしていると弁護士さんから携帯に電話が入る。金が届いたと言う。5時に再度警察署へ出頭し、金を受け渡しを受けることになった。指定時刻に警察へ行くと、茶色い大きな封筒に現金が詰まって置かれていた。相手側はこれを届けただけで帰ったのか姿が見えない。被害者の日本人と手分けをして札束を数える。これだけ千バーツ札の百枚綴りの束があると、中には偽札でも混じっていそうな気もするが、まさか警察に偽札を持ってくるような真似はしないだろう、、。とりあえず、今回の事件については、ほぼこれで決着したことになる。後は保釈金の払い戻し手続きだけである。3ヶ月近くかかったが、車を騙し取られたまま、泣き寝入りせずにここまでやって来て良かったと思う。
夕食に同じアパートに住む日本人から夕食の招待を受ける。バーンスアンレストランと言う高級レストランである。この人が私たち家族を招待してくれる時は、大体何か私に頼み事があるときである。今回もやはりそうであった。乗用車を買いたいらしい。半年ほどレンタカーを借りっぱなしにしているが、レンタカー代も安くない。こう長くなってきたら、自家用車を買ったほうが得である。今乗っているレンタカーを所有者が33万バーツで売る(おっと、これも33万バーツとは)と言うがどうだろうかと言う。妥当な金額に思えたが、とりあえず近日中に中古車屋めぐりをして中古車の市場価格調査をする約束をした。料理は美味しかったのだが、この高級レストラン、半分オープンスペースで屋根はあっても壁が無い。スコールのような雨は、テーブル近くまで吹き込んで来た。そして、雨が小降りになると今度は蚊の攻撃が始まった。メーピン川に面しており、周辺は野原のようなところである。蚊がいるのは当然で、私は一人ビールを飲んでいたこともあり、ずいぶんと蚊に食われてしまった。
朝食
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ご飯と白菜の味噌汁、野菜サラダ。 |
昼食
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小屋がけ食堂の新作メニュー、竹輪入りのタイ風オムライス。
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夕食
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バーンスアンレストランにて雷魚の姿揚げ、北タイ風オードブル、牛肉のオイスターソース炒め、グリーンカレー、スペアリブフライの甘酢煮込み。
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