1月29日 木曜日    天気は晴れ

 韓国系航空会社乗務員一行がサファリ・ツアーへ出発するのに立ち会うために、朝一番にオーキッドホテルへ向かう。今晩は韓国料理が食べたいので、アレンジをしてほしいという。しかも、昼のツアーが終わったら、まっすぐ韓国料理屋に入って食事をしたいと言う。ツアーガイドに確認するとホテル帰着予定は夕方5時ごろだと言う。ちょっと夕食には早いのではと思ったが、お客様が言うには、「自分たちは韓国時間のままで行動しているから、5時はもう自分たちには7時といっしょなのだ」と言われる。なるほど、国際線の乗務員とはそんなものなのかと思う。
 なお、明日は皆でゴールデントライアングルへ行きたいとのことであったが、首長族の部落にも立ち寄ってほしいとのリクエストであった。K.K.トラベルは原則的にツアーを自主運営しているわけではなく、提携先への斡旋をしており、正直なところ、この手の追加注文を得意としない。ツアー会社に追加手配依頼することは可能だが、割高になってしまうことがある。そこで、明日の分に付いては、ツアーを自主運営することとした。手配すべき内容は、実際のところ難しいことは無く、運転手付きのミニバス(12人乗りのミニバス)と有資格ガイドだけで、ガイドに現地での注意や行程をしっかり説明すれば問題無いはずである。あとはガイドが昼ご飯のアレンジや入場料などの清算をして来てくれる。

 昼に所属先ボランティア団体の代表に招かれて、エンプレス・ホテルのバイキングをご馳走になる。ここで食事をしたのははじめてであるが、なかなか内容が良く、美味しかった。なんと日本風のテンプラまであって、大根オロシまで用意されているのである。こうして昼食をご馳走になるときは、だいたいが、次なる奉仕業務の依頼なのである。今回はまたどんなことを依頼されるのか、ちょっとドキドキしていたが、新しく何かを依頼されることはなく、ワタノー学校での授業を来年度も継続してやるようにとの指示であった。また、今年になって番組が中断しているラジオの件でも情報交換をしたが、バンコクの広報局からチェンマイの放送局へは「2月1日より番組を再開するよう」にと指示が届いているらしいのだが、直前になってもまだ当事者に対して何の連絡も入ってきていない。番組が休止するのも、結局前日になって突然スタジオに張り紙がされていただけであった。

 エンプレス・ホテルは韓国レストランに近いので、今晩の予約をおこなう。今は韓国人団体ツアーが多いので、連日満席で大変忙しいらしい。しかし、航空会社の乗務員と言うことで、特別に夕食後にホテルまで送りの車を出してくれることを承諾してもらった。もっとも、全員は乗れないらしいので、私のビートルも応援に使わなくてはならない。でも、行きはツアーのバスがお客さんたちをレストランまで直接運んでくるはずだし、送迎上の問題は無くなったはずだ。
 ところが、午後3時半になってツアーガイドから電話が入った。「今無事にお客様をホテルで降ろして業務が終了した」と言うではないか。こっちは、韓国レストランに夕方5時に到着するように指示をしておいたにもかかわらず、まったく、何でこんなことになったのだろう、、。ガイドに問いただしても、「予定コースは全部回ったから、それと夕食は6時にしてほしいって」と言う。急いでホテルへ向かって、情報収集をしようとしたが、もうお客様たちはホテルにはおらずどこかへ行ってしまったらしい。考えられるのはマッサージである。ホテル近くのマッサージ店を何店か探し回ったら、隣のロータス・ホテルに何人か入っているのを確認した。そして、今晩は6時にホテル・ロビーに集合して食事に行きたいからと言う。それと人数も7人だから、、と。

 結局、韓国レストランまではビートルとオート3輪タクシーに分乗してお送りすることにした。ところが、問題は更に発生して、明日チェンライへ行くのは4人だけになったから、、と、言われてしまった。昆乗ではなく、自主運営のツアーで手配しているので、これは大問題である。12人乗りのミニバスに4人しか乗らずに運行したら、完全に赤字である。その辺の事情をお客様にやんわりとご説明して、追加手配の首長族をあきらめてもらって、昆乗のツアーに参加していただくことを了解してもらった。時刻は7時近く。大急ぎで既に手配してある車やガイドに頭を下げて明日がキャンセルになった旨を説明し、さらにツアー会社へ明日の予約の依頼をしに走る。
 ツアー会社で明日の予約手配の話をしている最中に携帯電話のベルがなった「タローさん、明日はやはり自分たちだけのツアーで行きたいから、かかる経費を払えばイイでしょう」と言われる。オーマイゴッドと頭を抱えたくなったが、よくよく考えて見れば、これはお客様の私の立場に対する思いやりなのだろうと思える。既に手配してある車やガイドをキャンセルしたら、社内での私の立場がなくなるだろうと配慮してくれてのことではないかと思い、またまた面倒なことになったとも思ったが、その反面嬉しくもあった。ツアー会社にはその場で今の予約を取り消し、新たに先ほどキャンセルをしたミニバスの運転手に「明日やっぱり行くことなったから」とお願いをする。たぶん、この辺の身の軽さもK.K.トラベルと言うシステム化されていない小さな会社だからできることなのかもしれない。

朝食

雑穀ご飯と韓国海苔。

昼食

エンプレスホテルのバイキング。

夕食

台湾食堂の焼き餃子。

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