朝7時にインペリアル・メーピン・ホテルへ行ってバンコクの旅行会社の社長がチェンマイ入りしているから、面会に行くようにとK.K.トラベルの経営者に言われていた。バンコクの旅行会社そのものは、もともと私が紹介したもので、まぁその手の役目は当然私が果たすべきだとは自認していたが、7時と言う時間帯は一体どこから出てきた時間帯だったのだろうか?訪ねてみると先方はまだ寝ていた。
このメーピンホテルのロビーで朝10時近くまでを過ごす事になったのだが、ロビーや朝食会場へ出入りする宿泊客を見ていて、感じることがひとつあった。それはタイ人観光客がやたらと目立つことである。以前であれば、この手の高級ホテルは欧米人や日本人で溢れていたもので、タイ人の旅行者などほとんど見かけなかった。それが、今朝は半分以上が国内観光客である。タイの人たちもこの手のホテルに泊まれるだけ豊かになってきたようである。それとタクシン首相が、裕福な人たちは外国旅行をするのではなく、もっと国内旅行を見直すようにと大号令をかけていることもあるのだろう。団体バスで乗り付けているような多人観光客の一団は、朝7時過ぎにはバスに乗り込んで観光に出かけていった。
時間的に遅くなったのだが、11時近くになって、ようやく優泰をラムポーン寺へ連れて行けるようになった。早朝からやたらと忙しかったために、本来9時には優泰を寺へ連れて行くと住職にお願いしていたのだが、大幅に遅れてしまった。11時過ぎに寺へ到着すると、住職を含めて、寺の人たちはみんな食事時間だという。タイの寺院では、朝と昼の二回しか食事をとってはいけないことになっており、さらに昼食も正午前に終えなくてはならない。そのため、ちょうど昼食時間にかかってしまったのである。住職が食事を終えられるまで待つように指示されたが、そうすると優泰は今日はもう食事を食べられなくなってしまう。西洋人の寺男にその辺の事情を説明したところ「では、カフェテリアでご一緒にお食事を」と誘ってもらえた。カフェテリアと言っても、講堂風の建物で、板の間に座卓が並んでいるだけで、黄色い袈裟を着た僧侶と白い装束の外来修行者がほぼ半々くらいの割で黙々と食事をしていた。私たちもアルミのお盆で精進料理をいただいた。お盆にはクボミがついており、そこに惣菜をよそって、皿は使わない。必ずしも精進料理でなくてはならないわけではなく、希望者には魚の揚げ物も食べられるようになっていた。
料理のほうは、野菜の天ぷら、五目野菜炒め、スープなど数種類があったが、精進料理のナムプリックだと案内されたものは、唐辛子入りのゴマダレ風で、たても美味しかった。ご飯に垂らして食べると食が進むのである。カンタロープと言う甘味を押さえたメロンも美味しかった。
午後はお母さんも初日と言うことで白い装束をまとって瞑想の修行に参加した。私はその間もK.K.トラベルでデスクワークをこなしていたが、夕方にオープニング・セレモニーがあるからパスポートのコピーと証明写真を持って来るようにと指定されていた。さらにお供え用の白い蓮の花も11本持ってくるように言われていた。蓮の花は寺に向かう途中のトンパヨム市場で一本2バーツで購入して寺院に向かった。
オープニング・セレモニーは住職によって執り行われた。本日から寺に入るのは、優泰のほかにハワイ出身の親子がいた。この子供が優泰よりも幼く、歳は6歳だと言う。優泰にとって仲間ができてよいのだが、しかし、瞑想をして集中力のトレーニングをさせるには、ちょっと問題のある同期生でもあった。住職が唱えるパーリ語のお経を復唱し、蓮の花を供えてセレモニーが終わった。優泰は他の修行者とは別扱いで、特別に住職と一緒の部屋で寝かせてもらえるのだそうだ。セレモニー後の説教で、住職は「食べ過ぎないこと」「寝すぎないこと」などいくつかの訓示をされた。また、行動は静かに、ゆっくりと行いなさいとも言われた。
朝食
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食べる時間なし。 |
昼食
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ラムポーン寺で精進料理。 |
夕食
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サワイリヤムでオードブル風タイ料理。 |