昨日までご滞在になられていたお客様より頂戴した納豆で朝ご飯を済ませる。何ヶ月ぶりかの納豆ご飯である。最近の納豆パックにはタレがついているものが多い。そのタレも趣向を凝らしたりしたものがあって、海苔が入ったペースト状のものなどもあったりして楽しいのだが、今回いただいた納豆にはタレが入っていなかった。その代わりパッケージには「豆本来の味をお楽しみいただくためにタレはお入れておりません」と書かれてあった。なるほどと納得する反面、タレをどう使うかは消費者の勝手といった気もする。
お客様のホテルへのお迎え時間は10時なので、それまでにK.K.トラベルの事務処理を進める。着きっきりでお客様のお相手をするようにとのことなので、日中は事務処理をすることができない。他のスタッフにホテルや観光施設業者へ連絡や取次ぎ事項を指示する。が、なんとなく不安である。なんとなく時間稼ぎの2度手間になってしまいそうである。私が新入社員だった頃、先輩社員や上司から「ホウレンソウ」を徹底するよう何度も怒鳴られた。ホウレンソウとは野菜ではなく、報告・連絡・相談の頭を並べたものである。とにかく、指示した作業をやったらば、逐一連絡をし、トラブルがあれば電話で相談してくるように言い聞かせたつもりだったのだが、、。あとで無理なことは注文すべきではなかったかと心配になる。
本日お客様のお供をしたのはドイステープ寺院、それからピン川沿いの麺屋、マッサージなどである。日本では多くの従業員を抱える企業の社長さんだそうで、狭くてボロイ私のビートルに乗っていただくのは心苦しかったのだが、「いやいやぁ、かまわないですよ」と言ってくださり、ガタガタとチェンマイ市内走りまわる。そして、極々大衆的なピン川沿いの麺屋でも、「ここでもイイんですよぉ、ツアーじゃこんなところで食べられないですもんね」とおっしゃられて、クオッティオうどんを啜ってくださった。ビールがお好きなようで、シンハビールも美味しそうに飲まれていた。
お客様が2時間のマッサージを受けられている間に、K.K.トラベルに戻って指示した内容の確認をする。実際にこの半日の間に、一度も私宛に連絡も報告も入ってこなかったので、てっきり何も手をつけていないのではないかと思っていたが、一応は引継ぎ作業に着手し始めていたようである。が、やっぱり中途半端で、止まったままになっている。「どうやってイイかわかんなかったから」とスタッフは答えたが、わからないならどうして電話して聞いてこないのだろう。ここのスタッフの悪いところは、途中でつまづくと投げ出して諦めてしまうところである。自分がしなくても誰かがやってくれると言う甘えがあるのだろうか?その誰かが通常私であるのは、ちょっと困りモノなのだが、、、。
午後に輪タクに乗ってウィアンクンカム遺跡をご見学いただく。まぁ、ここの遺跡自体は他にいくつもあるタイの遺跡群と比べて「凄い」と手放しで感動できるほどのものではない。しかし、長閑で豊かな農村風景の中を輪タクで回るというのは、私は良いコースだと思っている。自動車ではなく、輪タクと言うのが良い。
村の中も近代化が進み、昨年まで路面を掘り下げただけの用水路が、コンクリート製になっていた。見た目にはちょっと興ざめさせられそうなのだが、これがまた逆の効果があってコンクリート製の用水路は村の子供たちの恰好のプールとなっていた。あっちでもこっちでも子供たちが用水路に飛び込んだに水の掛け合いをしてはしゃいでいる。こうした光景は日本ではなかなか見られないであろう。お客様はお写真を撮られたりされていた。
夕食後、サイモン・キャバレー・ショーへもご案内し、9時頃にホテルまでお送りする。それから私はK.K.トラベルに戻って中途半端なまま投げ出された事務処理作業を続ける。帰宅は11時を回ってしまった。