旧チェンマイ通信のページへようこそ。　(2001年から2004年まで、3年半の記録)

１２月２４日　水曜日　　　　天気は晴れ

　朝一番に先日日本行きの航空券を買ってくださった方を空港までお送りする。本来はオリエント・タイ航空のチャーター便を使って日本へ一時帰国し、国際免許を取ってこられようとされていたのだが、しかし、年末年始に飛ぶこのフライトでは、日本の官庁は既に御用納めの後に日本へ到着し、御用始前に日本を離れなくてはならないと言うスケジュールで、ご利用いただくことができなかった。そこで、香港経由とはなるが、料金的に格安なキャセイ航空をご利用いただくように斡旋させてもらったものである。しかし、「飛行機の乗換えなんか、あんまり経験がないもので、、」とちょっと不安そうにおっしゃられたので、少しでも不安を取り除けるかと思い、空港までお見送りをさせてもらったのである。

　ムエタイ・ジムで今日から優泰はランニングを２周する事になったようなのだが、１周して走ってきたところで「もう走れない」とだらしのないことを言う。仕方がないので、私が優泰の手を引きながらもう一周に付き合い、ワイシャツに革靴のままランニングをした。トレーニングを始めてまだ５日目、まだまだ基礎体力が備わっていないようである。

　朝一番から、日本領事館へ行ってビザの申請手続きを行う。日本へのツアーに申し込まれた家族で、個人の財産や収入を確認する公的書類が前回提出できなかったとして、書類不備状態が続いている。金屋の経営者なのだが、金屋の登記は親戚(従兄弟だそうだ)との共有名義になっており、登記簿もその親戚が所持しており、さらにその親戚とは現在仲たがいをしていて登記簿を取りにいけないのだという。そこで、共有名義者は親戚であり、財産は半々であると言ったことを記した古い弁護士事務所が作成した書類を持参された。しかし、領事館側としては、これで完全にOKとは言えないらしい。まず、弁護士事務所が作成した書類であり、「公官庁の発行した証明ではない」と言うことが問題らしい。領事館のビザ窓口としては指定した書類そのものでなくては必要書類不備と言うことになってしまうらしい。本日も私は昼過ぎまで窓口に張り付いていたが、係官から「どうするかは電話で連絡するから」と一旦引き取るように指示される。

　今日はあまり運の良くない日らしい。今朝一番に、プライベート・トレッキングツアーを手配させてもらった西洋人家族から、「時間になっさてもガイドが迎えに来ない」と連絡が入った。それによると、「約束の時間の９時になって、ガイドから連絡が入り、あと10分ほどで着くと言っていたのにまだ来ないぞ」とお叱りを９時20分受けた。結局、ガイドは１時間遅れでお客様の元に到着されたようである。k.k.トラベルにとってVIPクラスのお客様でもあり、昨日もガイドと打ち合わせをしたばかりというのに、、。
　さらに、夕方、優泰をムエタイ・ジムへ迎えに出ようとしたら、バンコクのオリエント・タイ航空のチャーター便航空券卸元旅行会社から電話が入る。チャーター便の航空券の発券が本来昨日行われるはずだったものが、今日にずれ込んだとは今朝連絡を受けていたので、「これから夜行バス便で送るよ」と言う電話かと思った。ところが、これがイスから転げ落ちそうなほど驚嘆するようなことを電話口から伝えられてしまった。「名古屋行きのフライトは旅客扱いできなくなった」と言うのである。事情について詳しく聞き出そうとしたのだが、政府から旅客扱いの認可が下りなかったというのである。そんな滅茶苦茶な話などあるものだろうか？それも直前になって、、。「では、どんな代案を提示してくれるんだい」と問いただすと、「それがぁ、、。」と相手もまだどのように対応してよいのか解らないようである。まぁ私だって同じ立場なら、対応に苦慮して絶句してしまうだろう。しかし、代案を手配しないで、「フライトにご搭乗いただけなくなり、今のところ行き詰まっています」とは口が裂けても言えない。お客様が納得していただける線での代案を用意してもらわないと、それと責任はオリエント・タイ航空側にあるのだから、詫び状から、経費全般についてまで用意、保証するよう、交渉して欲しいと担当者に伝えるが、相手は当惑気味であった。たぶん、そんなことは真っ先に交渉をしていて、それでもラチが開かないから、こんな形ででも私に連絡してきたのだろう。

　こんな日は、とりあえず何か対応を考えても冷静に考えられないだろうし、相手のあることばかりだから、酒でも飲んで寝てしまいたかったが、不幸は続くもので、今日はクリスマス・イブである。お父さん一人「自棄酒」など煽っているわけにいかない。ちゃんと家族でテーブルについて健全にクリスマスケーキでも食べなくてはならない。私は思った。K.K.トラベルの経営者が言っていたことが正解であった。オリエント・タイ航空となんかビジネスに乗り出すのは間違ったことだったと理解した。この体質のいい加減さは、日本人のビジネス感覚からは想像ができない。

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(2015年5月からのブログ)

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