クンタンの峠を越えたあたりで、車内に明かりがつき、間延びしたBGMがガンガン鳴り響いた。無視して寝ていようとしたが、車内サービス係りの女性乗務員に揺り起こされ、お手拭と、ドロドロ・コーヒーを手渡された。サービスはありがたいが、到着ギリギリまで寝ていたかった。
アパートに戻り、昨晩チェックインしたはずのMが宿泊しているホテルへ電話を入れてみる。どうやらまだ眠っていたようだ。が、話を聞いてみるとお客さまと同室だそうだ。添乗員がお客さまと同室しなくてはならないとは、ずいぶんと大変なことだ。就寝中も気が休まらなくて、疲れもたまるだろう。業務上の仕事もやりにくいのではないだろうか、、。とりあえず、9時半頃にホテルのロビーに顔を見に行くことにした。
Mは3年前とあまり変っていなかった。お客さまに気を配りながら、ホテルのロビーを飛びまわっていた。ほとんど話しをする時間もなかったが、Mは元気そうだったし、張りきって仕事をしていたところを見ると、仕事が大変だとは言いながら、結構順調なのかもしれない。彼ら一向は10時に大型観光バスに乗ってドイステープの山へ登っていった。
YMCAの英語のクラス。今のところ大して難しい英会話もないが、英会話のスキットを暗記するのは、舐めてかかると、「えーと、次ぎのセリフは何だったっけ」何てことになってしまう。そして、来週は中間テストがある。はてさて、一体どんなテストをしようとするのだろうか?楽しみではあるが、心配でもある。このクラスは会話が中心なので、クラスの雰囲気がとても良い。声を出し合うと言うのが良いのかもしれない。以前のテキスト読解は一方的にタイ語訳を先生がして、文法の説明をノートに書き取っていくだけであったから、和やかではあったが活気はなかった。
昼食にはお母さんとメーピン川沿いのそば屋に食べに行く。私はチャーシュー入りのワンタンメンにカニ炒飯を注文、お母さんはチャーシュー抜きでワンタン入りクオッティオうどん。チャーシュー以外にもやたらと肉が盛りつけてあり、麺より肉のほうが多いくらいだ。農村部ではどうか知らないが、都市部(チェンマイを都市と呼べるかは別問題)の食堂では、やたらと料理に肉が入っている。日本では考えられない事だが、とにかくそうなっていて、タイ人とは肉食民族ではないかと感じてしまう。そして、タイの子供たちは菓子食民族だと思う。ご飯をほとんど食べず、お菓子ばかりを食べ続ける子供たちが結構いる。親たちもそれに対して叱るでもない。優泰も最近は菓子食民俗化しつつある。これは先天性ではなく、後天性で環境順応のなせる技なのだろうか。
お母さんをお菓子教室に送りこんで、それが終わるまでの間、ビートルのエアコンラジエーターをいじくる。このラジエーターファンは換気扇のように、フロントフード内の空気をラジエーターを通して吸い出す仕組みになっていた。しかし、ファンの効率を考えると、換気扇より扇風機式に拭きつけるほうが、ラジエーターの放熱効果が良いはずだ。そこで、ファンの回転を逆回しにすることを考え付いた。プラスとマイナスをつなぎ変えるだけで簡単に作業完了。エアコンのスイッチを入れると、Goodだ。冷房効率がだいぶ改善された。「ヨシヨシ、これで良いんだ、これなんだよ」なんていい気になっていたが、そのうちハンドル下の穴から熱風が吹き出してきた。そしてエアコンの効きが悪くなってきた「ムム、なんだなんだ、どうしたんだ」と思って、確認すると、ラシエーターからの廃熱が、通風孔から外へ排出しきれず、フード内に充満し、そしてフードから車内へ熱風が漏れて来たのだ。フードを開けてみると、フード内がものすごく熱くなっている。予備タイヤやオイルも手で触れられないくらい熱い。これは失敗である。問題は、通風孔が狭すぎるのだ、、、。
朝食
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朝食はバスでもらった菓子パン。 |
昼食
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メーピン川沿いのそば屋でワンタンメン。 |
夕食
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お母さんたちはレモンツリーで食事をし、私はタイの即席麺を食べる。 |