3月19日 金曜日 天気は薄曇 (スモッグ)
朝一番にナイトバザール裏の金曜朝市に買出しに行く。買いこんだものはほうれん草、大根、ジャガイモ、米などである。米はタイ米と日本米に似たカオドイと言う陸稲をそれぞれ数キロずつ買う。以前は安かった陸稲だが、最近はだいぶ値上がりしてきた。1リットルが20バーツと言う。タイ米よりもずいぶんと高い。こんな山岳民たちの朝市にも日本人や韓国人がやって来て、日本米に似た陸稲を好んで買うようになったから値上がりしたのだろうか、まぁ、ものすごく高くなれば買わないだろうし需要と供給で価格が決まる市場原理なわけで、この値上がり分で山の人たちが少しでも豊かになるのなら、それに越したことはない。が、この季節、とにかく暑いので、そろそろ食感が重たい陸稲よりも、サラリとしたタイ米が食べたくなる。お母さんに言わせると「ここの市場のタイ米は虫が湧かない」のだそうだ。1ヶ月くらい置いておいても大丈夫だと言う。スーパーで売られているパックされたお米はしばらく置いておくと小さなゾウムシたちがうごめき始めるのである。
昼ご飯にK.K.トラベルのメイドにタイ式汁なしラーメン(バミーヘン)を買って来るように依頼したのだが、メイドが買って来たのはタイ式ヤキソバのパッタイであった。どちらも汁なし麺ではあるが、私が食べたかったのは、汁なしでタレと和えて食べるラーメンであったのだが、、。聞けばK.K.トラベルの近くにあった麺屋がなくなったのだと言う。ここの麺屋は、私が知っているチェンマイに数多い麺屋の中でも5本の指に数えられる店であって、結構繁盛していたのだが、店を閉めてしまった。ここは麺類以外の物も美味しく、特に中華まん(サラパオ)は抜群で、肉まんなどは昼前には売りきれてしまう盛況振りであった。日本ならこんなに繁盛している店は、よほどの事情がない限り閉店などしないものだが、チェンマイでは、はやるかはやらないか関係無しに、閉店してしまう。そのため創業○○年と言う老舗が少ない。たかだか10年くらいの店でも、チェンマイでは老舗になってしまうようである。
中国東方航空を利用した上海経由日本行きの飛行機の切符は値段が安いこともあって注文が多いのだが、どうにもバンコク-上海間の予約が取りにくい。どうしたわけかこの区間だけは毎日指定クラスが満席になっている。そこへキャンセル待ちをいれるのだが、なかなかOK回答が入らない。そこで高い通信費をかけてバンコクにある東方航空のオフィスへ電話を入れて催促をするのだが、このレスポンスが悪い。それと、3ヶ月間有効の往復切符なのだが、完全なオープンではなく、帰りの変更には一区間あたり2000バーツもの変更手数料がかかる。なかなか神経を使う航空券である。
夜、地元のフリーペーパーを見ていたら、ヴ紙の編集後期的なところに同紙のMさんと言う方のお別れのあいさつ文が小さく出ていた。私は直接Mさんという方と面識はないが、たしかこの方が編集を担当されるようになってから、ヴ紙の内容が面白くなっていたような気がする。私が知っているのは3年前からだが、3年前のヴ紙はなかなか面白かったし、情報も重宝していた。それに当時日本語のフリーペーパーはヴ紙しかなかった。ところがそれからしばらくして、ヴ紙の内容は、ずいぶんと面白みに欠けるようになった。まるで風俗店の紹介紙ではないかと思われるほど自宅に持ち帰るのをためらわれるような記事も良く掲載されていた。でも、このMさんが担当され始めた頃より、記事内容もまた特集の取り上げ方も、実に生活者向きの地に足のついたものになってきていた。今後もこの流れを引き継いで良い紙面で、有益な情報を発信していってほしいものである。
K.K.トラベルでもこうしたフリーペーパーに広告掲載を検討しようかと何度も考えたことがあるが、現在の体制では広告料を払うには負担が大き過ぎるし、まして日本人専門店でもないのだから、数ある英字フリーペーパーを差し置いて日本語紙に広告を載せるのは順番が違う気がする。そして、最大の理由は、当地の主だったフリーペーパーのヴ紙、ワ紙、ラ紙それぞれが一種の敵対関係にあるようで、そのうちのどれか一紙に広告を載せたりし、「K.K.は○○紙派だ」等と言われたくないのである。あくまでも中立でありたいし、日本人だけに媚びた営業方針を採るつもりもない。いくつもの情報誌が世に出て、生活者に情報提供していることは良い事だが、狭い社会であまりに世知辛い争いは避けていただきたいものである。