１２月１９日　金曜日　　　　天気は晴れ

　優泰を学校に送った後、ビートルを板金塗装屋に入れる。どんな修理をしてくれるのかと思っていたら、「く」の字型にひん曲がったバンパーを引っ張り出しただけであった。なんとも大雑把な修理である。そして「ハイ、終わったよ」と言うのである。おっと待った！エンジンルームのフードも歪んでいるし、塗装面に傷までついている。こっちはやってくれないのかぁ。確認をすると、走行に支障はないから「マイペンライ」だと言う。「でも、塗装くらいしてよ」と言うと、「これっぽっちで塗装なんかしたらもったいないよ、もっと大きな傷がついたときに、いっぺんにやったほうがいいよ」と、それでもアンタは塗装屋で飯食ってんのかと疑問に感じるようなことを言う。しかし、ちょっと粘って、塗装がハゲたところにだけでもと、ペイントをしてもらう。まぁ、何とか遠目には目立たなくなったところで、私も妥協したのだが、では「コープクンカ」と修理屋を出ようとエンジンをかけたら、嫌な音がする。後ろへ回ってみると、エンジン・フードが歪んだためか、エアコンのコンプレッサーに付いているプーリーがフードとぶつかり、エンジンが回るとぶつかって擦れるのである。これは、ちょっと時間のかかる修理になりそうなので、日を改めて修理をしてもらうことにする。

　フードの修理を後日にしたのは、１０時にはサンカンペンにある宗教系のボランティア事務所に行かなくてはならなかったためである。来年の滞在許可をもらうために重要なことだから、必ず来るようにと昨日召集がかかったのである。さて、何のことだろうか？クリスマスも近いし教会への寄付でも依頼されるのかなぁと疑いながら出向いてみると、そうではなかった。警察の幹部の方が来られていて、この団体に所属する外国人が私を含めて１０名ほど集められ、集団面接調査であった。イミグレーションが滞在延長を認めるかどうかは、どうやら指定された書類を出すだけでなく、警察側からそれぞれの外国人が資格外活動や、不法行為をしていないかと言ったレポートを参照にするらしい。もっとも、警察も暇ではないので、いちいち外国人一人ずつについて調書など作れない。そこで、幹部方に来ていただき、いっせいに面談をして、我々が「善良なる外国人」で「日々、タイ国の人々のために努力している」ことを理解していただく。聞かれたことは、どこに住んでいて、家族構成と、仕事は何をしているのかと言うことくらいであった。これで、警察側からのお墨付きが出るそうで、私の場合はその書類が、来週の水曜日にはイミグレーションへ回るので、来週末には滞在延長が一年分認められるはずだと言う。

　１１時過ぎに優泰を学校へ迎えに行く。明日から優泰の学校はクリスマス休みに入る。そして、今日は半日授業だそうで、下校時刻も早い。更に昼からは優泰の誕生日会を前倒しで実施するのだとかで、主役である優泰をパーティー会場まで送り届けなくてはならない。会場はナイトバザールにあるマクドナルドである。チェンマイでは子供の誕生日会をマクドナルドなどで行うことがはやっているらしい。優泰もしばしばクラスメートの誕生日会でマクドナルドなどに招待される。日本や北米などだとマクドナルドは貧乏人のジャンクフードのように感じられているが、チェンマイでは小金持ちの子供たちに人気である。ハンバーガーのセットで、標準的な労働者の日当以上するのだから。スターバックスなんかも、同類であるが、こちらは中学生以上が対象のようだ。あとで聞いたら、クラスメートが１６人ほど来てくれたそうだ。

　昼からK.K.トラベルに入る。こちらもダラダラ勤務をしているスタッフたちが眠たそうにアクビをしている。そろそろ年末年始のオリエント・タイ航空のチャーター便に関しても決着をつけなくてはいけなくなってきた。バンコクに何度も電話を入れて督促をする。「大丈夫」とは口頭で答えるが、ではいつチケットを発券するのかと言うことにはなかなか具体的に答えを聞き出せないでいた。それとは裏腹に、本日はこのチャーターに関する問い合わせが３件も入ってきた。
　夜、会社のパソコンでアクセスを使ったデータベースの再構築を行う。やはり、プログラム上に問題があるようで、アクセス操作中に何度もオフィスのCDをインストールするように要求してくる。日本語版のCDを入れてみたのだが、当然のことだがエラーになるだけであった。それに表示される項目が全てタイ語なのでチンプンカンプンになる。結局この作業を夜１０時過ぎまで行う。

　このところ、私が毎晩楽しみにしているNHKの「おしん」が放送されていない。どうしたのだろうか？小屋がけ食堂のおばさんも「おしん」のファンだが、K.K.トラベルの航空券発券マネージャーのニットも「おしん」のファンらしく、しばしばおしんの話題がよく登る。でも、タイの人たちはNHKを見ないから今も再放送がされていることを知らないだろう。