旧チェンマイ通信のページへようこそ。　(2001年から2004年まで、3年半の記録)

８月１８日　月曜日　　　　天気は晴れ

　納期まであと２日しかない。急ピッチの突貫工事で作業をしているが、それでもなかなか思ったように作業が進まない。そして昨晩の作業で、破れた血豆のまま素手でシンナーや洗剤を浸した雑巾でゴシゴシとタイル磨きをしたために、右手が炎症を起こしてしまった。指も筋肉痛である。右手の指先や手のひらは左手と比べると一回りくらい大きく、パンパンに膨らんでいる。朝ご飯を食べるために箸を持つだけでも手先が痺れるように痛い。それでも作業は中断できない。

　優泰は学校に行く際に昼食用の小遣いを持っていくように今学期からなった。以前も小遣いを持って買い食いをさせていたことが何度もあり、昼食を買うべき小遣いでアイスクリームや景品付きスナック菓子を買ってしまったりするために、過去何度も小遣いから弁当に切り返させられている。もともとこの学校の食堂のメニューの貧弱さからも弁当のほうがマシだと私は考えていたのだが、優泰がどうしても小遣いを持たせてくれとせがむため、毎日３０バーツずつ持たせることにした。これだけあれば昼食には充分であろう。お菓子類やジュースは別途に現物支給で持たせることにしている。買い食いが悪いわけではなく、授業中に「何を買おうか」とばかり考えて、勉強が上の空になってしまったり、景品のお菓子で遊んで、先生の話を聞いていなかったりするのが問題なのである。そのため、今回また小遣いに切り替えるにあたり、「お昼ご飯以外のものを買ってはいけないよ」と厳命していた。「もしお金が残ったらちゃんと家に持ち帰りなさい」と言い聞かせておいた。
　しかし、一週間もたたずに約束は破られてしまった。午後優泰を学校に迎に行くと、コンクリート製の丸テーブルの上で見慣れないプラスチックのおもちゃで優泰は遊んでいた。「おい、優泰、帰るぞ」と声をかけられ、私に気づいた優泰は、おもちゃを放り出して私の方へやって来た。
　「おい、優泰、あのおもちゃは何だい？」
　「えーとぉ・・・」
　「君のじゃないのかな？」
　「うーんとぉ、違うと思います」
　「じゃ誰か、お友達から借りたなら、ちゃんと返してきなさい」と、おもちゃを持ち主に返させようとしたが、優泰はモジモジとしている。
　「あれは、本当は君のなんだろう？」
　「うぅーんとぉ」
　「もし君のなら、放ったらかさず、ちゃんと集めてきて持ち帰りなさい」と言うと、走っておもちゃを集めに行った。
　「で、これはどうしたのかな？」と本題を切り出すと、
　「えーとぉ、お昼ご飯を食べようと思って、お金を払ったら、、、んとぉじゃなくて、何だかわかんないけど、袋に入っているものをよく見ないで買ったら、これが入っていたんです。」とあやふやな証言をする。
　「わかった、とにかく、まずは家に帰って、お母さんにちゃんと事情を話すんだぞ」と命令してアパートにもどる。

　アパートに帰っても、優泰はなかなかその辺の事情をお母さんに報告をしない。「おい、優泰、早くお母さんにさっきのことを説明しなさい」と何度も言っても、やれお腹がすいたからおやつを食べてからだとか、トイレでウンチをしてくるとかで、なかなか言い出さない。そのうちに家庭教師の先生の来る時間になってしまった。
　私は１２階の部屋の作業をするために、何度も非常階段を使って行ったり来たりしていたのだが、ふと階段裏を除くと、先ほどのおもちゃと色違いのものがビニール袋に入っていくつか出てきた。これは間違えなく優泰が隠したものに違いないだろう。私はそれらを証拠品として押収し、１２階の部屋へ持っていった。なにが、「何だかわかんないけど、買ったら入っていた」だ、数から言っても、今学期が始まって毎日購入していた計算になるじゃないか、、。夕食前になって、お母さんが１２階の部屋に上ってきて、「まだ、何も言い出さないけど、あらかじめ情報を頂戴よ」と言うので、証拠物品を示しながらおもちゃの一件を説明する。

　優泰が寝た後になって、善後策を協議したところ、持たせる小遣いを２０バーツに減額することにした。これで解決するとは思えないが、しばらく様子を見ることにする。夕食後に痺れを切らしたお母さんが直接優泰に事情説明を求めたところ、「お昼ご飯の代わりになる食べ物かと思って買ったら、こんなのが入っていた」と言って弁解したらしい。もちろん私が証拠品を発見して押収していることはまだ優泰は知らないはずである。

　夜遅くなって、郊外の巨大スーパーへ家電製品の買出しに行く。冷蔵庫、テレビ、電子レンジなどをカーフーで買う。これらは明日の夕方に配送してくれるそうだ。次にロータスへもまわってコードレス式の電話機を購入。ロータスの家電製品の取り扱い方は、カーフーと比べると、非常に悪い。電話機などは、パッケージをなんども開けられた形跡があり、箱だけ見たら中古品のように見える。箱がボロボロになっている。しかも、保証書にスタンプも押してくれない。レジ係は、「一年の保証だから、問題があったらレシートと一緒に持ってくればいい」と教えてくれるが、カーフーの対応と比べると格段に落ちる。

　今晩もリフォームで午前３時過ぎまでかかる。

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メオダムきまぐれ日記
(2015年5月からのブログ)

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