7月17日 木曜日    天気は晴れ

 今回の旅行の目的の1つであるタオ島でのスノーケリングに出かける日である。朝8時40分に迎えのトラックに載せられて港に向かう。4月に来た時と同じ船であるが、あの時は船頭さんの家族が沢山乗り込んでいて、ほのぼのとした雰囲気があったが、今回は船頭さんと若い助手の2人だけである。相客は西洋人が10人くらいと、タイ人女性2人、東洋系の顔立ちで年齢と国籍不詳の男性1名といった構成である。船頭さんは私たちのことを覚えていてくれた。船頭さんの家族が今回乗船していないのは、家に帰っているからだそうで、家族たちは普段陸に上がって生活をしているそうだ。前回はたまたまソンクラン・タイ正月だったので、家族が船に乗りに来ていただけだったそうだ。

 初めにタオ島の南浮かぶシャーク・アイランドと言う大きな岩でできた島周辺でシュノーケルをする。ちょっと海流があり、ちゃんと泳がないと流されそうである。私は足にフィンをはかずに素足で泳ぐ。その方が気持ちが良いし、自由な感覚があるからなのだが、それが命取りになった。島の近くまで優泰と泳いだところで、突然優泰が私にしがみついてきた。優泰はライフジャケットなどを着込んでいるから、余計に重たい。それでしがみつかれたので、私は海に沈んだ。その沈んだ場所が悪かった。水深が丁度私の背丈ほどのところであったようで、海底には珊瑚があり、さらにその珊瑚に直径が30センチ以上もある特大のウニが海底が真っ黒になるくらい密集していた。そこに着地してしまったのだからたまった物ではない。足の裏には数十本もの巨大ウニのトゲが刺さり、そのトゲには毒でもあるのだろうか、足の裏が痛いと言う感覚が、次に足全体が痺れると言う感覚に変わり、自由に動かなくなった。私はライフジャケットも何もつけていなかったので、足は痛いし痺れて動かないから、海面に浮かぶのも大変であった。十分くらいもがきながら、だいぶ海水も飲んで、ようやく足の痺れが取れ始め、痛みだけとなったので、沖の船に向かって泳ぎだす。
 乗船すると船頭さんがトゲの刺さった足裏にマナオと言うタイの小粒レモンを絞ってなすりつけてくれる。またも、痺れあがるほどの刺激である。こんな刺激を受ければ、もうちょっとやそっとの痛みなどどこかへ飛んでいってしまうだろう。足裏にはトゲが折れて皮膚深く食い込んだままになっているのだろうか皮膚の奥に黒い斑点風にトゲが透けて見える。まったくの災難である。

 巨大ウニにやられた左足は、マナオ汁のおかげで、だいぶ回復したが、歩くにはまだまだ痛い。でも、海で泳ぐには支障はなくなったので、もっぱらスノーケルをして魚を眺めた。前回よりも多少海水の透明度が落ちているのだろうか、水深の浅いところでないと熱帯魚がよく見えない。が、浅いところには珊瑚があり、そして恐ろしい巨大ウニの大群がいる。

 前回は船上からパン屑を撒いて魚を寄せたが、今回はパン屑を積んでいないそうだ。この船上からのパン屑まきは実に愉快なアトラクションで、タイの多くの寺院の池にいるナマズにパン屑を撒くのに似て、パンを放り込むと魚たちがワッと群れてきて、大騒ぎをする。寺ではそれを陸から見ているだけだが、この船なら海中からも魚たちの大騒ぎが見物できる。しかし、今回はパン屑がないというので残念だ。代わりにビスケットを持って海に飛び込む。それ以外にも、前回と比べてちょっと趣向に欠けるところがあった。たとえば、お客が島に上陸している間に船頭さんたち家族は、船から釣り糸をたらして、手釣りをしていて、それを見物するのも楽しかったし、港近くの沈船の周辺でも潜らせてもらったが、今回はそれらもなかった。いずれも、ツアーのコースに組まれたプランではなく、船頭さんの家族サービスの一貫に便乗させてもらっただけなのだが、楽しみにしていたものがないと、やはりちょっと寂しい。が、それでも、朝から午後までたっぷりと熱帯魚たちの泳ぐ姿を見物させてもらったし、まずまず満足である。

 夕方に宿屋に戻ってすぐに優泰は宿のプールに飛び込んでいった。だいぶ優泰も泳げるようになってきて、昨日よりクロールのやり方を教え始めている。以前なら、「ああしろ、こうしろ」と指示しても水を怖がって、ちっともできなかったが、このごろではよく指示に従うようになってきた。こうした点でもだいぶ優泰は頼もしくなってきているように感じる。私は昨日から癖になってしまったのだが、バンガローに戻ってタイ・ウイスキーの小ビンをラッパ飲みで一口あおり、それからプールサイドのデッキチェアに横になった。ここの宿屋はリゾートと名前を付けているだけあって、バンガロー全体が背の高い椰子の木や、大きな葉の木々に覆われていて、外が暑くても、敷地内には直射日光が入らず、またビーチに面しているので常に潮風が吹き込んできて実に気持ちがいい。700バーツはちょっと高かったが、それ相応の満足感が得られる簡易リゾートであった。

 夕食後、ネット屋に入って公開日記をアップしようとするが、FTPでアップができない。どうやらプロハイダーが提供している許容範囲になってしまったようだ。最大5メガ、1000ファイルまでしか容量がない。公開日記も2年以上になり、日記のファイルだけでも800を越えているはずだ。少し要らないファイルを削除しなくては、、。とりあえず、本日のところは、休眠ファイルを削除してアップする。

朝食
海辺に出てアンパンと牛乳で簡単に済ませる。
昼食
船の上で鶏肉のチャーハン。
夕食
昨晩と同じ食堂にて野菜チャーハンと鶏肉とカシューナッツ炒め(酢豚風)。

 

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