7月15日 火曜日    天気は曇り ときどき晴れ 一時雨

 

今日からドライブ旅行である。出発の準備など特に何もないのだが、12階の部屋のリフォームに関して配線工事を完了させなくてはならないので忙しい。その忙しいさなかに、同じアパートの日本人居住者から依頼ごとが舞い込む。「5月分の家賃を払いすぎたので、事務所に返金してもらいたいが、要領を得ない」と言うのである。頼まれたら「嫌」とは言えない性格のため、引き受けて事務所に掛け合う。どうやらコミュニケーションの問題から事務所側と誤解があったようで、過剰支払いがあったのならば返金するが、今日は会計係りがいないので出納簿の確認ができないと言うのである。「じゃ、また明日確認するしかない」と言うことになったが、私は今から出かけなくてはならないし、来週まで戻らないから、出納簿で確認できたら返金に応じるようにと事務所側に釘を打つ。

 アパートを出発できたのは、10時半になった。しかし、すぐに出発と言う訳に行かず、ドライブ中の水分補給のために裏の小屋がけ食堂にて氷と水をバケツのようなクーラーボックスに詰めてもらう。その際に、おばさんが「旅行から帰ったら頼まれごとを聞いて欲しいんだけど」と言う。どんなことですかと聞いたが、「帰ってきたら話す」と言う。はてさて、おばさんとの付き合いも2年になるが、頼まれごとなどされるのは初めてだ。ちょっと気になる。

 ハイウェイに乗る前に、アジア銀行へ寄って旅費相当のトベラーズチェックを両替する。円建てで5万円のチェックである。これ一枚で1週間の旅行には間に合うだろう。しかし、このアジア銀行の行員は愛想がない。レートが良くなければなるべく利用したくない銀行だ。きれいで近代的なウツワなのに、、、。さらに、巨大スーパーのビックCに立ち寄って、昼食用のパンやスナック菓子などを買い込む。また、優泰は水中メガネを無くしたと言っているので、水中メガネも買う。そんなこんなで、ハイウェイに乗ったのは昼も近い11時半をまわっていた。今晩はバンコク郊外のサムット・ソンクラムに泊まろうと思っていた。サムット・ソンクラムではマングローブ林でまるでクリスマスツリーのように集団で点滅する変わったホタルがいるそうで、観光名所にもなっていて、ボートで水路を巡りながらホタル観賞ができるそうである。このところホタルに凝っているので、是非見てみたいと思ったが、こうチェンマイを出発する時間が遅れては、サムット・ソンクラムに着いたらホタルも寝てしまっているのではないだろうか、、。

 このところ、チェンマイは曇りがちの天気が続き、日中でもそれほど暑くない。おかげでビートルのエアコンをつけなくても、窓から吹き込む風だけで充分に涼しい。こういう天気だと運転も楽である。4月に立て続けに長距離ドライブした時など、外気温は40度を越え、強烈な直射日光でエアコンなどモノの役にも立たず、エンジンはオーバーヒート気味であった。それと比べると天と地ほどの違いがある。ビートルを運転しながらパンをかじり、順調に南下する。タークでガソリンを補給し、オイルを注ぎ足す。燃費も悪くない。リッターで12キロほど走っているだろうか、峠道はあるが、信号待ちはほとんどないし、ブレーキを踏むことだってほとんどないのである。ナコンサワンを過ぎると交通量が格段に増え、走行車線側の路面はひどく荒れて、ビートルで走ると車体がバウンドを繰り返してしまう。そのため、なるべく追い越し車線を走ろうと、スピードは常に100キロを越える。老体のビートルには100キロでの連続走行は過酷だが、モトクロスコース並みの走行車線を走らせるよりかはマシであろう。アユタヤを過ぎたあたりで暗くなり、バンパインよりバンコク市内を迂回する外環道路に入る。

 パトゥムタニと言うバンコク郊外の町でガソリンスタンドに立ち寄ったが、すでに時刻は8時半をさし、ホタル観賞をあきらめなくてはならない時間となっていた。夕方から昼寝をしていた優泰が起きだして来て、ウルトラマンのビデオCDが見たいと言う。外も暗いし、まぁパソコンで上映してやろうかと思ったが、パソコンの状態が良くない。とても不安定になっている。ガソリンスタンドで1時間も停車して、修正を試みたが、時間を無駄に費やすだけであった。しかたなく、優泰には「もう、イイから寝なさい」と寝かせることにし、私はビートルを走らせながらスキャンディスクやデフラグ、ウイルススキャンなどを実行した。サムット・ソンクラムの橋を越えたのは夜10時半をまわっていた。ホタルが見られなければ、こんな町に用事はない。このままタオ島への船が出るチュンポンの港まで走ってしまおう。バンコクから500キロ、7時間もあれば着くだろう。早く着いて仮眠でもして、朝一番の船に乗って島に渡ってしまおう。

朝食
昨夜の残りのキャベツのスープ、サケのフレーク、炒り玉子。
昼食
菓子パンおよび調理パン。
夕食
昼の残りの調理パン。

 

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