１０月１４日　火曜日　　　　天気は曇りのち晴れ　

　朝は起きることができなかった。起きだしたのは８時過ぎである。ひとりで食卓につき、朝食を食べる。炊飯器のご飯もすでに冷えかかっているが、レンジで暖めることもせず、そのまま食べることにする。納豆を食べたのだが、やっぱり納豆は炊き立てのご飯で食べないと、味が今ひとつのようだ。

　午前中に、土曜日分から昨日までの公開日記を書く。３日分を書くのに二時間半もかかってしまった。内容的には何も大したことを書いているわけではなく、キーボードを叩いている時間よりも、「えーと、あの日は何したんだっけかなぁ」と思い出すのに時間がかかった。こんなことをしているから、ダラダラのマンネリ日記になってしまうのだろう。メールもだいぶ溜まっているし、今週末からは家族旅行に出かけて不在になってしまうし、作らなくてはならない書類も沢山ある。時間が足りない、、。いや、時間の使い方が悪く、段取りが悪いのを棚に上げて時間のせいにするのは、良くないかな、、。
　その作らなくてはならない書類のひとつ、ワタノー学校での後期授業計画の作成を始める。このような書類をタイ語で書き上げるだけの能力が私には無い。学校側からは英語で書いてくれれば、タイ語に訳してくれると言うが、英語で授業計画を書くのも大変である。それに、日本語をどう教えるかを英語で書いて、それをタイ語に訳したりするとどうなるのだろうか？特に後期は助詞の使い方と、用言の活用を中心に教えようと思っているが、英語にもタイ語にも無い用言の活用をどのように説明したら言いのだろうか？悩む悩む。

　そうして悩んでいるうちに、冷蔵庫の配送時間になっていた。先週の月曜日に代金を払い、３日後の木曜日に届くはずだったものが、届かず、今日に延期されていたのだ。約束の時間は午後２時。現在は２時を２０分ほど回っている。なんだか、イヤーな予感がするが、まさか先日あれだけクレームをつけたのだから、大丈夫だろう、、それに「届けられないなら、なぜ事前に連絡してこないのだ」と咎めていたのだから、、。しかし、悪い予感ばかりはどういうわけか的中してしまう。３時になったがやっぱり届かない。セントラルデパートの家電売り場に電話を入れると、「えー、お届けは今日なんですかぁ」ととぼけたことを言う。先週と同じように事情を説明し、別の担当者に回されて、また説明。家電売り場が言うのは「まだバンコクから届かないから届けられない」。「届かないなら、なぜ早く連絡しないんだ」「届かなかったから連絡しなかった」とまったくチグハグなのも先週とまったく同じ。違うのは先週の担当者が休みだったということぐらいである。この売り場で、係りが皆同じような回答をするのは、「そのように答えろ」と言うマニュアルでもあるのだろうか？温厚な私も頭に血が上ってきた。「オタクの店には責任感と言うものが無いのか！」と言うと、「悪いのは東芝です。まだ届かないのは東芝のせいです。」と答える。家電売り場の責任者を出すように要求したら、「休みだ」と言う。気分が悪いので、捨て台詞のつもりで、「自分は外国人だからタイ語についてよく知らないが、ラッピッチョープ(責任)と言う単語の意味を勘違いしていたようだ、どんな意味か説明してくれよ」と言ってやったが、「お届けは木曜日でOKですね」を繰り返すばかりである。休みと言う責任者に明日電話をしてくるように念を押して電話を切る。
　なんだか、ものすごく疲れてきた。お母さんは、「タイにいるのだから、イライラしてもしょうがないでしょ、、お父さんもマイペンライに徹したらラクチンだよ」と言う。そりゃ私だって一人身でいたらマイペンライで暮らせるだろう。私が身体を張ってラッピッチョープを引き受けているから、家族がマイペンライで暮らせるのではないか、、。この一ヶ月ほど、この手のストレスが相当にたまっている。だからといって、日本へ帰りたいとも思わないが、この土地で家族を養うことへのプレッシャーに押しつぶされそうになる。チェンマイはやはり、生産活動をするのには適しておらず、消費だけしているのが最適なようだ。
　作らなくてはいけない書類の中に、日本人がチェンマイで暮らしていく上で発生する不便を解消するための「便利屋」的な商売のビジネスプランがある。チェンマイで暮らす上で一番大きな問題は、ラッピッチョープを誰も引き受けようとしないことである。便利屋はそのラッピッチョープを引き受けるのが商売の中心となるだろうが、これはこの社会では非常な困難を伴うもののように感じる。

　夕方、事務所から１２階の部屋の浴室の排水に問題があり、下の階から水漏れするとクレームが入っていると言う。部屋の管理をしている我が家がラッピッチョープすべきなのだろうが、施工した工員たちは、修繕に応じるだろうか？便利屋なんてモノがあればコッチが利用したいくらいだ。もう、なんだか気分的にマイペンライになってきて、書類作りを投げ出してしまい、焼酎を飲み始めてしまう。

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