7月12日 木曜日
東京からチェンマイに戻って1週間が過ぎたわけだ。朝、目が覚めてベッドに転がっている目覚し時計の針を見たら、午前6時ちょっと過ぎであった。また、優泰も起き出している雰囲気だ。よし!今週サボっていた運動を今朝こそしようと張りきって優泰に「運動に行こう」と誘ったが、「行かない、今勉強してるの」と言われてしまった。勉強と言っても塗り絵をして遊んでいるに過ぎない。まったく、根性の曲がっている餓鬼だ!と、憤慨したが、リビングの時計を見るともう7時になっている。どうやら私の目覚ましは遅れていたようだ。そして、私は寝坊をしてしまったようだ。この時間では運動どころではない。さっさと朝ご飯を買ってこなくては、、。
小屋がけ食堂に行って、鶏肉のお粥とツミレ入りのクオッティオうどんを作ってもらう。また、カスタードケーキふたつ入りパックもひとつ買って帰る。
8時に優泰を幼稚園に送り、お母さんと紅茶を飲んで一服してから、自転車の修理を行う。修理調整個所は、サドル、ブレーキ、ハンドルである。
まず、サドルは固定が甘い事と、クッションが硬すぎるので、三本組みのバネを一本はずして、クッションを弱くし、サドルの止め具のボルトを締め上げた。
次ぎに、ブレーキは後輪を外す大仕事となったが、ブレーキドラムとシューに汚れが付着し、効きが悪くなっていたので、ブレーキを解体し、洗面所で石鹸をつれて徹底的に汚れを落として、再度組み上げる。
最後にハンドルは、ハンドル占めつけ部分にビニールのカバーが挟まっていて、このビニールの為に、ハンドルがしっかり固定されていなかったので、ハンドル固定ネジを緩めて、ビニールを取り除き、再度しっかりネジを締め上げて、自転車の修理は完了した。まったく、タイの自転車は、新車でも組み上げ方がいい加減だから、苦労させられる。タイの自転車と言うより、スーパーで買ったものなど、所詮こんなところなのかもしれない。きっとちゃんとした自転車屋で買えばこんな事は無かったのだろう。続いて、ビートルの調整に入る。ビートルのボンネットのフックが上手く引っかからないようなので、フックの調整をする。あちこちいじくってみたが、一向に埒があかない。こうなれば徹底的に原因究明するべきと、フックや組め具を解体してみることにした。そして、嘆くべき事に、止め具の一部が破損して消えうせているのである。止め具が溝に引っかかるための爪が付いていないのだ。これは重症である。なんとか代替品で間に合わせられないかと、手をグリスでベトベトにしながら挑戦するが一向に上手い方法が見出せない。そうこうしているうちに、時刻は12時半を回ってしまった。お母さんに昼食を食べさせなくては、、。
部屋に戻って、お母さんとショッピングセンターのクーポン食堂に昼食を食べに行く。今日も60バーツのクーポンを買う。お母さんが食事に25バーツとアイスコーヒーで15バーツの計40バーツで、残りの20バーツが、私の昼食である。しかし、前回までは、「本日のお得メニュー20バーツ」といった看板が、各コーナーにあったのだが、今日はどこにも無い。どこにも20バーツのメニューを置いているところが無いのである。しかし、ここであと5バーツのクーポンを買い増しするようでは、男じゃない(関係無いか、、)と、カオソーイ(チェンマイ名物のカレーラーメン)コーナーの女の子に、「具のチキンを入れなくて良いから20バーツで食べさせて」と頼んでみる。クーポン食堂で料理を値切るなんて私ぐらいのものだろう。でも、彼女はあっさりとOKしてくれた。ラッキー!これで私の男がだいぶ上がった事だろう(そんなわけないか、、)。具の名にも入っていないカオソーイがすぐに出来あがって来た。このコーナーの良いところは、チキン以外の具は、客が好みで好きなだけ入れられる事である。私はモヤシ、漬物、タマネギ、ライム、各種唐辛子をたっぷり入れさせてもらい。意気揚揚とテーブルについてお母さんと昼食を取る事が出来た。
昼食後、そのままスーパーに立ち寄り、買い物をする。タイ米の最高品種(ジャスミンライス)が大特売になっている。ふだん5キロ150バーツのものが、145バーツ、さらに、ひと袋買ったらもうひと袋サービスという大サービス。つまり、半額以下ってわけ。早速10キロを購入。その他、牛乳、キャベツ、豆腐、パンなどを買ったが、さすがにアパートへの帰り道は重たかった。そして、とどめに、アバートの入り口で飲料水を6キロ買った。
午後もビートルのフックと格闘するが、名案を思いついた。チェンマイには簡単な鉄工所のようなところがたくさんある。折れた爪は、細い金属シャフトを加工して、それを溶接してもらえば用が足せそうだとひらめいたのである。早速、自転車に跨り、暇そうで人のよさそうな鉄工所を探しに行く。あったあった。鉄の門を作る小さな町工場に溶接機があって、工員があくびなどしている。さっそく床に落ちていた金属シャフトを加工してもらい、爪の形状にして、止め具に溶接してもらう。しかし、せっかくくっつけてもらっても、所詮はきちんと寸法を測ったもので無し、なかなかピッタリとはまらない。3回ほど溶接しては、削り取る事を繰り返して、漸くピッタリとはまるものが出来た。加工賃をたずねたら40バーツという。50バーツ札を渡すと、礼を言ってポケットにしまいこみ、つり銭を探す気配が無い。まぁいいか、、。
アパートにもどり、ビートルに取りつけてみる。何度かフックの高さを調整してみたら、ピッタリとフックが噛み合うようになった。大成功である。古い車は手がかかるが、こうした事をするのは好きなほうなので、嬉しくなる。
そろそろ、優泰を迎えに行く時刻のはずなので、部屋へ戻らずそのまま幼稚園へ優泰を連れて帰る。
夕方、スーパーでは高くて買わなかった野菜や果物類を買いに、3人でビートルに乗って、タニン市場へ買出しに行く。しかし、お母さんは市場の臭いが気になると言って、市場の奥へ入ろうとしないので、結局私が買出し当番、財布係りとなってしまった。買ったものは、サツマイモ(皮も白い)500グラム、バナナ10本、ネギひと束、大根1本、ジャガイモ500グラム、マンゴー1キロ、ココナツミルクのみつまめ風ひと袋、タイ風さつま揚げひと袋、マカロニのケチャップ炒め、菓子パンひと袋。ずいぶんといっぱい買い込んでしまった。優泰はバナナが美味しいと、買いだし中に2本も食べてしまった。
アパートへ戻ったが、病み上がりのお母さんはやはり少し疲れた顔をしていた。さっきまで、晩御飯は、テンジャンチゲ(韓国風味噌煮込みスープ)を作ると張りきっていたが、今晩のところは遠慮いただき、さっき買った惣菜などのありあわせの晩御飯で済ませてもらう事にした。
昼に買ったシャスミンライスを電気釜で炊き、マカロニとさつま揚げを皿に盛り、目玉焼きを焼いて夕食とする。デザートはこれもさっき市場で買ったマンゴーである。そして、今晩はお母さんも優泰と一緒に夜8時には床に就いてもらった。まったく、失業者の私は、今月に入ってずっと主婦をしているようだ、、、。