8月12日 月曜日    天気は曇り タイの母の日(王妃誕生日)

 今日はちょっと仕事っぽいことをする。HPからコンタクトしてきた北米在住の日本人がいらして、名前を仮にHさんとさせていただくが、Hさんは象を使ったCM製作のためのロケハントにいらっしゃった。で、私の仕事っぽいことというのは、その象のアレンジなどのコーディネートのお手伝いである。CM撮影のコーディネートなど絶えてやったことはないが、考えてみれば、旅行会社勤務当時の添乗員としての業務にも似通うものがあると考えて、お手伝いさせていただいた。まぁ実際お手伝いになっていたかどうかは、別問題なのだが、、。

 午前中に滞在先のホテルで軽くブリーフィングをして、CMのラフを説明してもらった。「象を使う、それもなるべく低予算での」との希望であったので、私はランパンの象保護センターが良いのではないかと考えた。ここならば日本人のスタッフもいるし、コミュニケーションも取りやすい。CMのロケの場所としても広いし、象は沢山いて「選り取り緑」。ちょっと遠いのが玉に傷くらいに考えていた。先週からここのプラソップさんと言う方にメールを打っていたのだが、未だに返事が帰って来ない。まぁ、タイでは良くあることだし、こちらも時間があまりないのでアポイントなしでランパンのセンターまで押しかけてみることにした。

 「ミスター・プラソップはバンコクへ出張中で、戻りの予定はわからない」と展示品コーナーの係りの人に言われてしまった。なるほど、それでメールの返事が来なかったのか、、。これでただ納得していたのでは仕事にならないので、更に突っ込んで、ここで活躍している日本人調教師の女性に渡りをつけてもらった。
 彼女は小柄で華奢な体つきながら、大きな象を扱う象の調教師で、とても親身になってCM撮影への助言をしてくれたり、撮影にあたって用意すべき手続きについて事務所でコンタクトを取ってくれたりした。まったく、感謝感激である。彼女によれば、日本をはじめビデオ撮影などはしょっちゅう行われているそうで、受入体制に問題は無さそうだとの事であった。撮影申込書をランパン市内にあるオフィスへ提出して許可を取れば良いらしいとのことで、過去の申込書をサンプルとして見せてもらっていたら、大変な事実が発覚してしまった。

 このセンターはタイ国森林資源局に属している、いわば国営である。国の施設での撮影には、まず国家映像管理局の許可が必要で、映像管理局はバンコク市内にある。さらに、そこの許可を取り付けた上で、タイ国森林資源局の許可も必要となっていた。こりゃただ事ではない。Hさんは頭を抱え、「明日の朝一番の飛行機でバンコクへ飛んでお役所参りに行こう」と言う。「イヤイヤ、ちょっと待ってください」とHさんを制止し、打開策を検討する。バンコクへ飛んで、果たして当日中に2つの役場の許可が取り付けられるだろうか、、。それに、そんな経費が見積りに入っているのか、、更に、撮影協力のギャラだって、どれほど請求されるかわかった物ではない。

 たしかに、このランパンのセンターは、素晴らしいし、日本人の調教師もいて、理想的なのだが、お役所をいくつも介しての手続きでは、とても時間的にも、費用的にも間に合わないと判断し、私は密かに、もっと商業趣味で民間の象キャンプをあたってみるべきだったと考え始めた。

 3時半過ぎにランパンのセンターを辞して、チェンマイに戻る道すがら、Hさんとそのことについて話してみると、Hさんも同意見であった。しからば、すぐに手を打つべく、メーサーにあるチェンマイ近郊では最も大規模な象キャンプへビートルを走らせることにした。

 メーサーに着いたのは既に5時過ぎで、当然ながら象キャンプは閉園していた。そこを持ち前の強引さで、門番の人を捕まえ、ここのキャンプの支配人に会わせるように交渉する。「もうとっくに帰ったよ」と言うものだから、彼に、ここの支配人の家まで案内させた。

 支配人はラタナさんといって、女性であった。もの静かそうで、とてもチェンマイ随一の象キャンプ支配人には思えないほどだった。先のランパンでもそうだが、女性とは見かけによらないものだ。感動。彼女に私の下手なタイ語で、CM撮影の趣旨を伝えて、理解してもらったのだが、撮影の許可なりについてはチェンマイ市内の事務所のノイさんにコンタクトを取るように言われた。もう時間も時間だし、これは明日の仕事だ。また

 

朝食

ご飯と生野菜、大根の煮物、韓国の焼き海苔。

昼食
川沿いのそば屋で、ワンタンとチャーシュー入りのバミー(中華麺)。
夕食

カムインハウスにて海老のすり身の揚げ物(トートマンクン)、鶏の丸焼き(ガイバーン)、ザボンのソムタム(ソムタンソムオー)、大きな川魚の揚げ物の甘酢餡かけ。

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