8月11日 土曜日
今日はY氏夫妻とランパーンへ行くことになっている。
約束の8時に少し遅れてホテルへ迎えに行き、スーパーハイウェイをランパーンに向けて走る。途中でガソリンを補給するがガソリン価格が少し高くなっているようだ。前回は15.02バーツ/リットルであったが、今日は15.67バーツになっていた。
はじめに象の訓練所に立ち寄った。ショーは9時半からかと思っていたが、10時からとのこと、まだだいぶ時間があるので象にでも乗ってくるように進めたが、Y氏はなんとなく乗りたがっているようなのだが、奥さんのほうがあまり乗る気ではなさそうで、結局ほかの観光客が象に乗っているのを眺めているだけであった。
やがて川で象たちの水浴びが始まり、ショーも始まった。私はショーの間に食堂に入り朝食をとることにした。朝食には久々の豚挽き肉のバジル炒めライスを注文。
ショーの終わり頃から小雨が降り始めてきた。再びスーパーハイウェイをランパーン市街へ向けて走り、市場の近くの馬車だまりでY氏夫妻には花馬車でランパーン市内を観光してもらうことにする。しかし、以前小雨が降っており、観光するには決して良い条件ではない。私はビートルにこもって二人が戻ってくるのを待つ。
昼食にはチャーハンが食べたいというので、それならばランパーン駅の近くには簡単な食堂がいくつかあったかなと思い、ビートルを走らせたのだが、どうやら道を記憶違いしていたようで、駅は反対方向へ走ってしまっていたようだ。それもずいぶんと走ってから、間違えに気づき、「まぁチャーハンくらいどこでも食べられるだろう」と楽観視していたら、これが大間違えで、道は立派なハイウェイであるが、これを進んでるうちにどんどんと寂しくなってきて、ついには人跡未踏の峠道となってしまった。道路標識によれば、直進すればいずれメーカチャンの集落にでるとある。メーカチャンはチェンマイとチェンライを結ぶ幹線道路にあり、「まぁこのまま行っても帰れそうだ」と勝手に解釈して、ビートルを進ませる。しかし、食事のできそうなところどころか、民家すらないような山道が続き、そろそろお腹もすいてくる。
ランパーンを出てからチェーホームという集落近くまで着たところ、ようやく一軒の食堂を見つける。ちょっと化粧の濃い女の子が出てきて、いまご飯を切らせていて、これから炊くので20分ほどかかるという。店内はなぜかステージのあるつくりで、音響設備まである。たぶん夜になると地元の若者たちが集まり、ステージでは野暮ったいステージ衣装を着けた女の子達が歌を歌うといった店なのだろう。
とても炊き立てのご飯を待つ気になれず、ほかに食堂はないかと聞いたところ、2キロほど戻って、左にかれたところに食堂があるという。大急ぎでビートルを走らせ、言われたところへ行ってみたら、そこにも先ほどと同じようなステージ付の食堂が何軒かあったが、いずれも営業は夜からだという。仕方なく田舎道をしばらく行くとチェーホームの市場にたどり着き、ようやく簡単な食堂を見つけられた。
食堂でY氏夫妻は昨日に続きまたもラーメン(バミーナーム)を食べ、私はタイ風のオムライス(カイチアム)を食べる。食事中に雨脚は強くなり、店のおばさんがこれからどこへ行くか聞いてきたので、「メーカチャン経由でチェンマイへ戻る」と答えたところ、洪水でとても乗用車では無理だという。引き返してランパーンからまっすぐ帰るべきだという。たしかにこの先にはいくつも峠道があり、洪水以外にも土砂崩れの心配もあるが、せっかくここまで来て、それも空腹を我慢してきて、むざむざと引き返すのはあまりに芸がない。市場のはずれのトラック改造の乗合バス乗り場まで行き、そこでこの先の道路の状況を確認すると、定期バスもちゃんと通っていると問題ないという。
雨は激しく、見通しはあまり良くなかったが、道は良かった。舗装されていて、整備も良かった。洪水も土砂崩れもちっとも問題なく、行けば行くほど道は広く走りやすくなった。そのうち雨も小ぶりとなり、時速80キロほどで走れるようになった。メーカチャンの集落でチェンライからの幹線と合流し、峠をさらにいくつか越えて夕方にはチェンマイの街にたどり着いた。
夜7時に待ち合わせ、今晩はナンルアンヘシーフードを食べに行く。先日からY氏は前回海老の焼き物を食べたら安くて美味しかったので、また食べたいと盛んに言っているので、安いかどうかは別問題として、ナンルアンなら海老なら如何様にでも料理してくれるであろう。
海鮮バーベキュー、カニのカレー炒め、カニチャーハン、海老サラダ、トムヤムクンと注文し、ハイネッケンのキャンペーンガールのお誘いには恐縮ながら「タイではタイのビールが飲みたい」とシンハを注文させてもらう。奥さんにはトムヤムクンが好評であった。ここでも夫妻はビールの大瓶を次々に飲み干されていた。「昼にビールを飲まないと夜飲めるね」は奥さんの弁である。私はビールは一杯きりで、あとはオールドパーに切り替え、これも飲み干してメコンを飲む。ちょっと贅沢な晩餐であり、しかもY氏に会計までしてもらい、まったく恐縮の至りである。
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