5月9日 水曜日
昨晩は、まるで秋のような涼しい風が吹き込み、いつものように窓を開け、パンツ一丁で寝るにはちょっと涼しすぎたかな、などと考えていたら案の定寝冷えをしたか軽い風邪を引いてしまったようだ。身体の体温調節がうまくいっていない事が自覚症状としてある。
朝の運動をひとりで縄跳びからはじめ、スクワットを終えたあたりで2人が降りてくる。そして一緒に体操を少しやり、優泰と2人でジョギングをする。しかし、コースの1/3も行かないところで疲れたなどと言い出し、半分でもう走るのを止めてしまった。
朝食はありあわせで済ませる。優泰にはチーズトーストを作ってやり、お母さんは昨日夜店で買ったあん饅頭、私はパンの耳にマーガリンを塗って食べる。
午前中の仕事を軽くこなして、日本領事館へ在留届の提出に向かう。先に銀行へ立ち寄り、銀行口座の開設をしようとするが、長く待った挙句に、パスポートを持参していない事に気づき、再びアパートへパスポートを取りに戻り、銀行は後日回しとする。
日本領事館は、空港近くのビジネスパーク内の建物に入っていた。広広とした芝生にかもまれた白亜の建物で、他に日系の企業も東京三菱銀行をはじめいくつか入っているようだ。在留届自体は書類にどこに済んでいて、本籍がどこだ程度の簡単な書類で、「タイでの安全のしおり」などという薄いA4サイズの冊子をもらう。
韓国料理店のパソコンの設定にも足を伸ばそうと考えていたが、今日はお客の予約が多く、また今度と言う事になった。それではと鉄道駅へ明日のバンコク行きの切符を買いに向かう。領事館から駅までは歩くと相当な距離があった。駅の入り口に中古のバイクを売っている店があり、そこにある身障者向けのバイクが目にとまった。原付バイクの横に小さなリアカーのような側車をつけてあり、その側車には屋根までついていると言う凝りようである。この側車は多分車椅子を載せるものなのだろうが、子供程度なら十分に乗せられそうだ。価格は約3万バーツ。しかし、メーターがすでに6万キロ近くまわっている。店の女主人はスダーさんといい、もし良い出ものがあれば教えて欲しいとお願いする。
明日のバンコク行きも、あさっての戻りの切符も寝台は上段しか取れなかった。まあ、仕方がないだろう。眠ってしまえばベッドの広さなど大した問題じゃないのだから。
駅前で流しの車とアパートまでの運賃交渉をしていると、バイク店の女主人スダーさんが、出てきて加勢してくれるが、運転手も言い値の30バーツを下げる気はなさそうだ。せっかくの応援には恐縮だが、30バーツでアパートへ戻った。
アパートについたらすでに時刻は1時を回っており、優泰にオムライスを作ってやり、お母さんと私の分は小屋がけ食堂へ買いに出る。
炎天下を長時間(?)歩いたためか、頭がくらくらする。これは軽い熱射病か、脱水症状か、それとも昨夜の寝冷えかなどと考えたが、ますます体調が思わしくない。こんなんでバンコクへ往復できるのか、、。
夕方からテレビでマンガを何本も立て続けに放映しており、優泰はそれに夢中だが、7時になり夕食を取りに外へ連れ出す事にする。今日は花園(スアンドーク)門近くにあり、先日昼間通りかがった際に雰囲気が良いな思ったレストランへ向かう。歩いていこうかと思っていたが、身体がだるい。車に乗って花園門まで行ってもらう。レストランの入り口を入ったところで、赤いノースリーブのシャツにミニスカートのいでたちの若い女性がたくさん立っていて、これは家族連れで食事に来るような店ではないのではないかと、たじろいでしまった。しかし、席に案内されるよりも早くメニューを見せてもらうと、料理は大概100バーツ以下だし、ビールなどの飲み物も決して高くない。彼女らが席にはべる様子も無く、ただのウエイトレスたちである事を確認して、席へ案内してもらう。
料理はタイ風の酢豚とカシューナッツと鶏肉炒め、ウエイトレスに進められるままに注文してしまったフレンチフライ。料理の味はまずまずだし、ウエイトレスたちはかいがいしくビールを継ぎ足してくれたり、お櫃からご飯をよそってくれたりする。ビールと薄暗い店内と、生バンドの演奏で少し良い気分になり、ビールをもう一本どうかとウエイトレスに進められたが、体調の事もあり、一本で止めておく。店内の奥に子供の遊び場のような施設があった。また子犬も白と黒の2匹がいた。会計を済ませ、そろそろ帰ろうかと席を立つと、突然の雨が降り始めた。凄い雨であったがこれも雨宿りする事十分ほどで上がり、通りで車を拾って戻る。アパートに着いてみるとどうやらこのあたりでは雨が降っていないようであった。路面も乾いていた。しかし、部屋に戻ってしばらくすると、外は激しい雨となった。身体がだるいので、打ちつける雨音を聞きながらベッドにもぐり込んだ。
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