9月9日 日曜日

優泰は7時に起きたが、喉が痛いといって、運動はせずにテレビでウルトラマンを見る。しかし、本当に喉が痛いのかは大いに疑問が残る。私やお母さんが喉を痛めているのは事実だが、優泰の咳のし方には、不自然なところが目立つ。

外は霧雨にけぶっている。身体がだるいし、頭がすっきりしない。ベッドに横になりゴロゴロしているのが最善だ。こんな日は必ず何か失敗をしでかすと相場が決まっている。

昨日の優泰との約束で、昼食には餃子を焼く事になっている。餃子は確かリンピンスーパーで、パックにしたものが10粒で30バーツで売っていたはずだ。他の食料品の価格と比べ、30バーツはちょっと高い気もする。たとえば屋台で売っているシュウマイはひとつ2バーツだ。しかし、タイではシューマイと比べ餃子の普及率は極めて低いようで、中国料理ではなく、日本料理として扱われている。そして、近くのスーパーでは日本のお惣菜コーナーで6粒40バーツなどという値段で売られている。

が、ボケているときは、やはり外出をすべきではなかった。まず、アパートの駐車場を出るときに、ビートルのフェンダーをコンクリートの柱に擦ってしまい、塗装がはげてしまった。がっくりである。これでまた何百バーツか消えてしまった。そして、リンピンスーパーのレジで並んでいたら、財布を出す拍子にビートルのキーを落としてしまった。幸いにすぐに見つけてもらって手元に戻ったが、駐車場のビートルにもどってみると、カギはかけていないし、窓は開けっぱなしで、雨が吹き込んでいるし、まったく碌な事になっていない。

リンピンスーパーでは、即席ラーメンを2種類買った。ひとつはタイ明星の製品で、他よりも1バーツ高い6バーツの日本語で「チキン味」と表示されているもの。もうひとつは、タイブランドのラーメンながら、日本のラーメンを意識したパッケージで、金閣寺、富士山、新幹線の写真が印刷されており、味噌、しょうゆ、ヤキソバ味があった。が、このヤキソバ味が曲者で、「焼そば」と本来書くところを「火尭そば」とそれも縦書きで書いてあるから、最初はなんだかさっぱり分からなかった。が、これが袋麺のくせにやたらと高い15バーツであった。私が買ったのは、味噌味であったが、アパートへ戻って、早速餃子を焼き、この味噌ラーメンを食べてみたが、味噌味はするものの、味噌ラーメンとは大きく味がかけ離れ、まるで赤出汁味噌汁にインスタントラーメンを入れたような味であった。

午後は、お母さんにDKブックセンターへ行こうと誘われたが、もう外出はコリゴリなので、午後はひたすらベッドでごろ寝をし、借りてきた文庫本のページをめくる。

夕方、今晩の晩ご飯の材料を買いに出る。今晩はすき焼きである。タイスキではない。まず、白菜と長ネギ、オイスターマッシュルームという白いきのこなどの野菜類。牛肉は「しゃぶしゃぶ用」と表示されたものを200グラム少々。糸こんにゃくもひと袋。都合全部で150バーツほどであった。他にもちょっと歩いたところにある食料品店で「忍」という清酒も2本買う。一本はすき焼きの割り下用。もう一本は晩酌用。

すき焼きは、小さなフライパンしかなく、鍋を囲んで家族団欒とは行かなかったが、味はまずまずであった。ちょっと牛肉を煮込みすぎて硬くなってしまったきらいがあるが、チューブ入りのタイ豆腐も美味くあったようだ。ネギが甘くて美味しいし、白菜は小さいのを1把まるまる入れたが、ほとんど解けてしまい、それがスープとなって砂糖をあまり加えなくても、程よい甘味となった。

 

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