三連休の中日。シリプミ滝へピクニックに出かける。ここはタイ最高峰のドイインタノンの中腹にあり、何段にも分かれかなりの高さがあるけっこう立派な双子滝である。チョムトーンというドイインタノンの登り口から入れば1時間足らずでいけるところなのだが、私はわざと道の悪いドイインタノンの北面からのルートをとる。サンパトーンからメーワーンを抜けるルートは産業や観光とは無縁のまったくの田舎道であり、周りの風景も悪くない。しかし、道は相当に悪く舗装されていても、補修工事をしていないので、コンクリートやアスファルトに大きな亀裂や穴があいている。それらを避けながら走るので、ノロノロ、ヨロヨロとした運転になる。峠道はこれでもかと言うくらい坂がきつく、ギアをローに入れなくては登れない。途中の10キロほどの区間は未舗装の土の道である。所々に小川があるのだが、その小川にかかっている橋は今一斉にコンクリートの橋に架け替え中で、橋は通行止め。脇の土手からかわらに降りて、仮設の渡しを抜けるのだが、車高の低いビートルはガリガリと底を石ころにこすってしまう。そしてまた泥の土手をタイヤをスリップさせながら登ると言うことを何度も繰り返す。今のところはビートルや乗用車より四輪駆動車向けの道であるが、この架け替え工事が完了すれば、この辺の道路も舗装されて走りやすくなるのだろう。
ドイインタノンの北面中腹にある農事試験場から先は比較的道も良くなり、山の斜面に沿って伸びる道からは山すその景色が一望できる。このあたりでもいくつかの集落があって野菜や花などを栽培している。時々バイクの乗って野良仕事にでも行く人を見かけるが女の人は鮮やかな民族衣装をつけているから、この辺の住人は山岳民なのかもしれない。
お昼の時間を過ぎ、そろそろお腹が空いた頃にシリプミの滝に到着。しかし、この滝には食堂も売店も、そして屋台さえも出ていないので、食事にありつけない。仕方なく、滝からすぐ先にあるドイインタノン登山道路まで進み、ここのビジターセンターで食事を取ることにした。そこらにある簡易食堂と大差のない食事施設なのだが、三連休ということもあり、ドイインタノン観光の客で店は大繁盛していた。私たちも空きテーブルを見つけるだけで精一杯であった。食事をしている客の中にはガイドさんに引率された西洋人団体客のすがたもあ西洋人団体客の姿もあった。
再び戻ったシリプミの滝では小学生くらいの女の子たちに囲まれた。手に野で摘んだらしい花をたくさん持ち、私たちにくれるのだと言う。そして、また野の花を差し出し、「1束10バーツで買ってよ」と迫ってくる。この女の子たちの花売りは7、8人いて、それが一斉に花を差し出し、呪文のように「1束10バーツかってよ、お願い」と来るのだから困ってしまう。中にはなかなか利発そうな子もいるし、ただ暗い声で呪文を唱えるだけの子もいる。私たちは結局ここで5束もの野の花を買うことになった。
この滝は昨年末に来た時にはなかった入場ゲートができており、入場料を取るようになっていた。入場料は20バーツ。滝周辺は花畑になっており、とてもよく整備されている。入り口から歩いて150メートルほどのところに小さな滝と、ちょっとした休憩できる設備があり、ここに腰掛けて一休みするが、空気がひんやりして涼しく気持ちが良い。滝から流れる水も茶色ではなく日本と同じような清流である。私と優泰は、お母さんをこの場所に残して、もう少し先まで行ってみることにした。これもよく整備された遊歩道が更に200メートルほど伸びており、そこから先は獣道風になって、大きな滝壷へと続いていた。滝からの水は冷たくて、足をつけていると、身体全体まで冷えてしまいそうだ。それに滝からの飛沫も冷たい。チェンマイあたりの外気温は40度近いだろうに、ここはまるで別世界のようだ。
この滝では台湾人の親子連れに会った。チェンマイ周辺で農園を経営しているそうで、子供は優泰と同じインターナショナルスクールに通っている。私が少し中国語が話せると知るととても喜んで、色々と質問をされてたしまった。「どうして仕事をしていないのだ」と聞いてくるから、「日本は景気が悪いからだ」と答えたら、台湾も同じだと言っていた。日本などよりずっと活気と活力があふれているように見える台湾だけれど、日本のように景気が悪いのだろうか、、。
滝からの帰り道は、チョムトーンを回る道の良いコースを選んだので1時間少々でアパートまで帰ってくることができたが、あまりにも道が単調すぎて、運転していて眠くなって仕方がなかった。
朝食 |
焼いたモチに海苔を巻いた磯辺巻き。 |
昼食 |
ドイインタノン中腹のビジターセンターにてチェンマイソーセージのチャーハン、海老ワンタンスープ、生唐辛子炒め、豚肉のニンニク炒め。 |
夕食 |
小屋がけ食堂にて空芯菜炒め野菜ときのこの入った卵焼き。 |