2月2日 月曜日 天気は晴れ
朝5時に起きて、シェラトン・ホテルへ向かう。K.K.トラベルで受けた仕事ではないが、先日K.K.へいらした日本人のご夫妻に対してツアーなどの案内をさせてもらった。そして、ご主人はチェンマイでのゴルフを楽しみにされていたようで、ある日本人の集まりから今朝のゴルフを誘われたらしい。が、ゴルフ場までどのように行ったら良いのか、困られたそうだ。早朝に乗合ピックアップトラックがあるだろうか、オート3輪タクシーは捕まるだろうかと心配になったらしい。そこで、数日前にホテル前に待機していたピックアップ・トラックとご自身で交渉して400バーツで行ってもらうことにしたそうだ。が、交渉したのは良いが、どうも言葉が良く通じなかったようで、本当に朝来るだろうかと心配になってしまったらしい。まぁ、それは心配して当然だろう。この手の予約などあっても、すぐに忘れてしまわれかねない。その話を聞いたとき、「大丈夫ですよ、もし来てなければ、別の車に乗っていけば良いだけですから」と私は答えたのだが、そう答えながら、その答えでは何の解決にもなっていないと、ちょっと気にかかった。本人は早朝のゴルフ場までの足を心配しているのだし、私の対応は「親切ではない」。
結局、なんの利害関係もないが、5時半にシェラトン・ホテルのロビーへ行って、このご主人が降りてくるのを待ち、ちゃんと車に乗れるか見届けるのが、自分自身をも納得させられる唯一の方法と気がついた。ご主人は6時丁度にエレベーターで降りてこられた。突然の朝駆けで、私がなぜここにいるのか良く分からないようであったが、まぁそんなことはどうでも良い。ホテルの駐車場へ行ってみるとちゃんと赤いピックアップ・トラックが待機していた。この運転手は約束を忘れてしまうタイプではなかったようだ。
しかし、ゴルフ場まで400バーツと言う金額はどう考えても高すぎる。せっかく早朝に迎えに来てもらったのに悪いが、値下げの交渉をし、200バーツということで、妥協する。流しを捕まえれば100バーツほどだろうが、早朝から準備して迎えに来てくれて、しかもドライバーは「400バーツ」が入ると喜び勇んでやってきたであろうに、それを1/4に値切ったら可哀想なので、半額で手を打った。
アパートへ戻る途中にチェンマイ市場に立ち寄って、優泰の弁当用に調理パンや朝食のパートンコーなどを買う。この市場は早朝にもかかわらずずいぶんとにぎわっていた。パンなども市中の雑貨屋で買うよりも2割方安いようであった。
K.K.トラベルには7時半には入ってメールのチェックや各種の手配をおこなう。昨晩計算した先月分の粗利の少なさに、仕事をしながらも、気にかかってしまう。少しずつ売上が伸びているにもかかわらず、私の目標としている数値と比べると1/10である。一方、私の努力だけでは、もうどうにもならないくらいまで仕事量が増えている。スタッフたちの協力を得られれば、もう少し効率も上がるのだろうが、言葉も接客方法もわかっていない、ただ時間が過ぎれば給料がもらえると理解しているスタッフにお客様の全面に出られたりしたら、今までの苦労が、崩れてしまいかねない。教育をしていきたいが、この手の従業員教育など一朝一夕に出来るものではない。経営者そのものも、その手の感覚がなく、平気で寝ぼけ眼で派手なパジャマで午前中はカウンターの奥の衝立の後ろに座って、時々従業員を捕まえては、大声でどうでも良いような自慢話や世間話などをしている。完全なジレンマに陥っている感じがする。
それに拍車をかけるように、私の東京での自宅に住んでもらっている友人が、月末に良い物件が見つかったので、そこへ移ることにしたと連絡してきた。これは一大事である。自宅には家財道具一式を残したまま私たちはチェンマイに来ている。借家として他人に貸すとしたら、家財道具を整理しなくてはならない。貸さずに放置していたら、古い木造家屋である。人が住んでいないと家が痛むし、泥棒の心配もある。ここでもまたジレンマである。そろそろチェンマイでの生活費のための貯金も底をついてきたし、日本へ社会復帰の為に、チェンマイK.K.トラベルで働いて、「自分はチェンマイでコレだけのことをしてきた」と就職面接で答えられるだけのものを得たいと思っていた。しかし、志を遂げるまでにはまだ道は険しく、果てしなく長そうだし、タイムリミットは秒読みに入ってしまった。近いうちに、日本へ一時帰国して、対応策を検討しなくてはならないだろう。タンスの衣類や、引出の書類など、そのままにしたままで、古い木造家屋なんかに住んでくれる人など、そうそう見つかるわけないだろうし、日本の知人で住むところに困っている人もいない。
午後からTクンから連絡が入り、K.K.トラベルへ行って、ビザの件で相談に乗ってほしいのだがと行ってきた。「すぐ行きますから、待っててくださいね」と言っていたが、なかなかやって来ない。そのうちまた電話が入り、「バイクが動かなくなっちゃったんですよ」と言ってきた。これは久しぶりにバイクをいじれるチャンスとTクンのアパートまで行ってみる。30年以上前の65ccのスーパーカブである。どうやら整備不良と消耗で、点火系統がだめになっているらしい。たまにエンジンがかかっても黒い煙を吐き、バックファイヤを吹き上げ、回転は不安定である。ポイントやタイミングから調整する必要がありそうで、工具を持ち合わせない私としては手におえない状態であった。しかたなく、行き付けのバイク修理屋に持ちこんで修理を依頼する。
朝食
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パートンコーと豆乳。 |
昼食
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豚挽き肉のバジル炒め。 |
夕食
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カレーライス。 |
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