8月2日 金曜日 天気は晴れ 夕方から雷雨
TPNさんとタイ東北一周ドライブの2日目。パクチョンの駅前で、TPNさんに朝食を食べてもらい、私はアイスコーヒーをビニール袋に入れてもらった。ところがこれがトンだ代物で、量は500ccくらい入っている。そして、その砂糖の量ときたら、オタマに3倍くらいを入れ、練乳もコップ一杯分くらい入れてくれる。初めは、それが私のアイコーヒー を作ってくれているものとは気がつかず、タイ人の中にはやたら滅多な甘党の人がいるものだと感心してしまったくらいだった。しかし、できあがったものが私に手渡された途端、事態は一変してしまった。その味たるや、とてつもなく甘いのである。一口飲むと、コメカミのあたりがズキズキ来るほど甘い。恐縮ながら、このアイスコーヒーはほんの少し飲んだだけで、途中のドライブインで捨てさせてもらった。
パクチョンの町を8時過ぎに出て、一路パノムルン遺跡に向かう。行程は約200キロ。対面通行の国道24号線をひたすら東に走り、バーンタコーの村から脇道に入って、パノムルン遺跡に到着したのが、午前11時。遺跡見物に、西洋人グループを乗せた2台のワゴン車が着ていた。
パノムルン遺跡は、小高い山の山頂に立つ12〜13世紀頃のクメール遺跡である。タイにはクメール遺跡として有名なピマイ遺跡があるが、このパノムルンは古代クメール帝国の首都アンコールワットとピマイのほぼ中間地点に位置する。この遺跡のある山一帯がパノムルン遺跡歴史公園になっており、集落から遠く離れている。今から14年ほど前に遺跡の修復が終わったばかりではあるが、見ごたえは充分ある。私のように歴史に疎く、遺跡に関心が薄く、そして芸術的な目を持たない者でも、この遺跡は感動的であった。この遺跡は山の頂上に立っていることから、周辺の大平原が一望できる。そんな中に、クメールの遺跡が展開しているのである。幸い、日本語のパンフレットももらったので、解説も書かれていて、とても良い具合だ。
以前、これも古代クメールの遺跡であるピマイ遺跡に行った際に、砂岩に彫られたレリーフの中にほとんど象が見られず、いても暴れ象であった。そのため、私は古代クメールでは、象は家畜ではないのかとも思ったりしたのだが、ここのレリーフには、飼いならされた象がいくつも発見できた。戦争のレリーフでは象に乗った戦士が戦っているものまで確認できた。
午後から、シーサケット県のはずれ、カンボジア領内にある、カウプラウィハーン遺跡を見学に向かう。行程は約250キロ。再び国道24号線を東に走るが、これがまた長い行程であった。3時間ほどで到着できるかと安心していたが、TPNさんのガイドブックによれば、見学時間は午後4時までとなっている。パノムルンを出発したのが午後1時過ぎだったので、急げばギリギリで間に合うと言った時間である。大急ぎでカウプラウィハーン遺跡へ向かう。この遺跡も国道24号線から、更に脇道を40キロほど行ったところにある。ところが脇道に入ってしばらく行ったところで道を間違えてしまった。道路標識の矢印の向きが曲がっていたようで、気がついた時は、月面クレーターのように舗装道路面がガタガタ、ボコボコの田舎道に入っていた。穴だらけの道で、ビートルは何度も穴ぼこに落ちかかってしまった。
道の間違えで15分ほどロスしたが、なんとか4時にはタイ側の国立公園検問所を通過できた。なのに、カンボジア国境は閉鎖されていた。ガイドブックにはカンボジア領内に200メートルほど入ったところに、カンボジアとタイの平原を見晴らす大遺跡があり、タイ側からでも見物料を払えば、パスポートもカンボジアのビザもなしで、見物できるとなっていた。しかし、国境は閉鎖されており、遺跡の見物は不可能との事。やはり入場締め切り時刻ぎりぎりに来たのが良くなかったのだろうか、、、。私の愛読ガイドブックは今から20年ほど前に出版されたもので、まだカンボジアが内戦中の本であり、「いつの日かタイから見学出きるような平和の日が来ますように」といったコメントが付いていたが、現在は内戦の一応終結し、タイ側から簡単に見学できるようになったと最新のガイドブックに書かれていた。私としては何としても見たい遺跡のひとつであった。残念。
しかし、見学できなかったのは、見学開放時間の問題ではなく、この地のタイ・カンボジア国境が閉鎖されてもう2、3ヶ月になると言う。今日は国境近くの断崖絶壁までは行くことができ、仕方なく断崖の上からカンボジアの平原を眺めた。平原と言うより鬱蒼とした大森林地帯であった。赤茶色の道が1本見えるだけで、森の中には人造物は、ほとんどなにも見当たらなかった。
カウプラウィハン遺跡を見学できなかったのは残念だか、いったい何時再開されるかも定かではない。いつかまた機会があれば来てみたい。今晩はウボンラチャタニの街に泊まることにする。三度130キロほどのドライブをする。途中で何度もスコールに遭う。ウボンの町に到着したのが7時過ぎ。今晩泊まるホテルはトーキョーホテルで、どうやら私が学生時代に宿泊した事のある宿屋のようであった。当時は昨晩と同じような旅社であったが、現在は立派な新館まで完成しており、もはや東京旅社などと呼べるような宿屋ではなくなっていた。新館のエアコンなしの部屋を350バーツから300バーツにディスカウトしてもらう。
朝食
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バナナを3本食べる。 |
昼食
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パノムルン遺跡前の食堂でマカロニ炒めを食べる。 |
夕食
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TPNさんとウボンラチャタニ市内の食堂で食べる。青菜の炒め物、イカの唐揚げ、アヒルの薬膳スープ、黄ニラと豚の首肉の炒め物。 |