6月1日 火曜日 天気は晴れ 夜に雨
社内用データベースの修復はどうにも上手くはかどらない。この手のことがあると、精神的に他の仕事にも影響を与える。特に、「ああしてみたらどうだろう」とか「こうしたら復活できるのではないかと」気になりすぎて、仕事に身が入らない。ついつい社内パソコンの前に座って、にらめっこをして時間を無駄にしてしまう。自分でもこれはあまり良くない性格だと思っている。
調子が良くないのは、プリンターも同じである。黒いインクが滲んでいる。インクジェットのヘッドがダメになっているものと思われる。ダメになる原因は、プリンターがインク切れを起こしても、だれもそのインクを補充しようとしないため、インクタンクが空になり、さらにヘッドにインクが焦げついてしまっているのだろう。社内にパソコンの補修係りというのは決まっている。メッセンジャーボーイのビックである。彼には1週間に一度のデフラグと合わせて、プリンターのクリーニングをさせることになっている。しかし、私が確認している範囲では、ただの一度もそのような役割を果たしている姿を見たことがない。インクの補充だって、彼の役割なのだが、いつも放ったらかしで、私が気が付いて自分でおこなっている。このインクヘッドの交換は結構イイ出費になる。だから経営者も、「どうしてこんなにコンピューターはお金がかかるんだ」とぼやいているが、それはちゃんとメンテをしていないからだと説明しても、「壊れてから対応する」と言うことが基本理念であるここの人たちには、まったく理解してもらえない。
その職務怠慢のビックであるが、今朝から見かけないなぁと思っていたら、どこか他で仕事が見つかったのか、昨日付でK.K.トラベルを辞めたそうである。本当に人の入れ替わりの激しい会社である。まぁ、これはこの会社に限らず、ここの社会全般に言えることかもしれないが、これではプロは育ちにくいだろう。
で、この公開日記を見てくださっている方がK.K.トラベルへいらっしゃって、次のような感想を述べられた。「チェンマイで仕事されている苦労は良くわかるんですけどね、でも、読んでるタイ好きとしては、『そうそう、これだからタイなんだよ、イイぞ、イイぞ』と感じてしまうんですよね、、、」なるほど、そう言えば、私もチェンマイに住み始める前に何冊も読んだタイ関連の本の中で、特に日本人が書いたタイでの生活の体験本で、こうしたここの人たちの気質にいわばあこがれのような感覚を覚えていた。たぶん、チェンマイに生活をはじめた当初もそう感じていた。これに変化が出てきたのはK.K.トラベルと言う完全なタイ社会に両足を突っ込んでからだと思う。もう、他人事ではないから「これよ、コレコレ、イイぞ、イイぞ」とは言っていられなくなってしまった。
今晩、お母さんは学校の先生を夕食に招待することになっているそうである。と、他人事のように書いているが、別に自宅に招待するわけではなく、レストランへ招待するのであるが、私は仕事が忙しいので同席できない。その代わり、レストランの手配と先生やお母さんを送迎してくれる車の手配をしなくてはならない。緊縮財政の折り、予算はあまりかけられない。となると洋食ではなく、タイ料理がいいだろう。結局、送迎のサービスもしてくれる懇意のレストランにお願いすることにした。
そのレストランで打ち合わせをしていると、調理場の人が何人か出てきて、私のミニバイクを関心をしめす。「いくらで売ってくれる?」と聞いてくる。このミニバイク、タイではバイクとして登録ができないので、原則的には公道上の走行が認められていない。しかし、ここ2年ほどで、急激にチェンマイで普及し始めている。とにかく手軽な乗り物だし、スタイルも洒落たものが多い。従来のバイクはどれもカブタイプであるから、スクーターのようなミニバイクが良く見えるのかも知れず、そのせいか日本のナンバープレートをつけたままのミニバイクを多く見かける。バイクとして認められていない乗り物を正規に輸入できるとも思えないし、一体どのようなルートでチェンマイに入ってきているのだろうか?
夕方、お母さんから電話が入り、「ベランダの網戸に鳥が引っかかっているの」と言う。先日はベランダに鳥が死んでいたし、このところ鳥に関して呼び出されることが多くなった。しかし、今回はまだ生きている鳥らしい、早く行ってあげないと、骨折をしたり、疲労で死んでしまったりしたら可哀想だ。急いでアパートに行ってみる。
鳥は網戸ではなくベランダの室外機に引っかかっていた。足を絡ませたわけではなく、疲れて動けなくなっているらしい。手を伸ばしてみると、怯えてはいるようだが、逃げようとするわけではなく、じっとしている。体力が消耗し過ぎてもう動けなくなってしまっているのかもしれない。タオルに包んで部屋の中にいれ、ご飯粒を与えてみたが食べようともしない。見たところまだ雛のようである。クチバシの付け根のちょうど頬に当たるところに黄色いクチビルがある。可哀想だけど、もう長くないかもしれない。タオルに包みこんだまま、テーブルの上に置いて、私はK.K.トラベルに戻った。
夜、10時頃に帰宅した。小鳥はもう息が切れてしまっているのではないかと思った。タオルの中で小鳥は仰向けに倒れていた。あーあ、可哀想に、寂しくて、怖かっただろうなぁと思いながら、持ち上げようとしたら、かすかに足が動いた。目も瞬きする。おゃ、まだ生きていたらしい。しかし、水を与えても飲まないし、米粒も食べようとしない。このまま衰弱してしまうのだろうか、窓辺なら新鮮な空気が吸えるだろうと、ドイステープの山が見える窓辺にタオルごと置いて、ドイステープに祈ってみた。
朝食
|
赤飯とワカメスープ。 |
昼食
|
バジル炒め。 |
夕食
|
とんこつラーメン。 |
前日へ 翌日へ
|